2020年9月27日日曜日

珍しく仕事のことを。

 休日はなるべく仕事のことは忘れようと思っているのですが、今日は珍しく書こうと思います。


最近、担当している件で、「ちょっとおかしな同業者」が本人として裁判をやっていたり、代理人をやっている件というのが目立っています。

数えてみると5件(1件はもうすぐ終わりますが)。

そのうち同業者が本人で裁判やっている件は2件。うち3件は、裁判や調停の代理人という件です。

このうち女性はひとりで、残り4人は男性です。

で、年齢層は30代から(おそらく)60代までと幅広く、したがって経験年数もばらばらです。


経歴を見ると、確認できる限り、東大出身者が3人です(びっくり)。


「ちょっとおかしな同業者」という言葉のニュアンスを説明するのは難しいのですが、圧倒的に仕事ができないレベルでおかしいと言うにとどまらず(ひとり含まれていますが)、KYだったり、こちらをディスることしか考えていない(注:弁護士という稼業は依頼者を背負っているので、書面上の主張が気に食わないとしても「仕事上のこと」と割り切って、弁護士本人に対して敵意を向けないというのがセオリーなのですが、弁護士本人をディスりまくる)という感じです。

昨日の電話ではフレンドリーだったのに、裁判所で会ったら不機嫌な態度とか、お天気屋の小学生みたいな人もいます。


今までも、時折、問題のある同業者が相手につくことはありました。

あからさまにこちらを脅すような言葉をら吐かれたこともありますし。

私もまる13年この業界にいますが、そういう「ちょっとおかしな同業者」が現れるのは、ポツンポツンという感じで、まあ、2年に1度、2度という感じでした。


一度に5人というのはなかなかない状況です。


で、この状況、なかなかストレスフルです。

わけのわからない人間の相手をすること自体もそうですが、抱えている案件の進行の見通しが立ちにくく、対応が難しいというのが大きな理由です。


普通の同業者がついている事件であれば、「おそらくこのあとの展開はこうなるな」とある程度予想がつくことが多く、バッチリ当たらなくても方向性として間違っていないことのほうが圧倒的に多い。

しかし、ちょっとアレな方がお相手だと、進行が明後日方向に行ってしまうので、うまく対応できないのです。

その自分がうまく対応できない感じが、非常に悔しいんですよね。

「なんでこんなやつに翻弄されなきゃあかんねん!!」思ってしまう。


ここが私の完璧主義でよろしくない(=煮詰まってしまいやすい)ポイントだと思うのですが、そういう明後日方向の相手に対しても、いや、そういう相手だからこそ、木っ端微塵の一網打尽にしてやりたいと思うのです。

が、なかなかそれがうまく行かない。

そういうの、とてもストレスなんですよねえ・・・


こういう話をすると、弁護士は数が増えたからたちの悪いのも増えたと言われそうですが、先に上げた5人のうち、弁護士の数が増えだしてから弁護士になったのは一人で、他の4人は数が増えだす前に司法試験に合格している人です。


我々の業界の人間からすると、弁護士の数が増えたことに伴って増えたのは、個性がない面白くもなんともない弁護士です。

仕事は、取り立ててできるわけでもないけれど、まあ突っ込まれない程度のことはできる。だけどそれだけ、という人が非常に増えたかなと。

かと思うと、類まれなる経営手腕を発揮して、事務所をどんどん大きくしてガッポガッポ儲けちゃう敏腕ちゃんも出てきました。


「大丈夫かよ、こいつ」と突っ込みたくなる同業者は、むしろ、まだまだ合格者が少なくて、「弁護士様」と崇めてもらえた時代に合格した人のほうが多いように思います。

要は、「自分の頭の良さ」に酔っ払ってしまって、人のアドバイスが頭に入らず、自分の理屈やルールを押し通すことしかできない人は、その世代に多いということなんだろうと思います(なお、私はスマートな頭脳でスマートに受かったのではなく、それなりの能力に根性と根気をプラスして10年も受験して受かった人間。酔っ払うような頭脳はありません)。


こういうアレな業界人というのは、裁判所でもマークされていることが少なくないらしく、実際、先の5人のうち、3人は、裁判所の職員や裁判官本人がぐちめいたことを私に言っていたことがあります。

うちひとりは、裁判所から危険弁護士として認定されているということも聞くに及んでおります。


あなたも気をつけなさいよ!!と言われそうですが、私はこれでもかなり気が小さいほうなので、裁判所や関係諸機関に対してはわりに腰が低く、評判自体は悪くないと思います。


言いたいことをかなりはっきり言うわりには(だって嘘つきとか言われたら嫌だし)、対応困難者が比較的多いうちの事務所でも、顧客とのトラブルは少ないと思いますし。


人の振り見て我が振り直せ。

「気にしい」の性格って、業界の中で信頼されて仕事をするためにも必要なんだなあ、なんて思う次第でした。




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