そういえば、前回の投稿で100本目なのをすっかり忘れていました。
とりあえず100本、と決めて始めたこの独り言、99回目までは「次で100だぜ」と覚えていたのに、当日は、書き終わってアップしてから、
あ。そういや、100でした。
と気がつく始末。
しかもネタはきわめて内輪のお話。
どうせなので、101本目も気の抜けたお話でいこうと思います。
今回のターゲットは、林の父、でございます。
もうすぐ70歳になる我がとーちゃん。
近頃、ちょっと体にだぶつくお肉が気にかかるようですが、ベランダのささやかな家庭菜園や花壇の手入れ、大学の非常勤講師の仕事等々で、それほど暇なわけでもなく、割にアクティブな生活を送っているようであります。
おとーちゃんは、元は、お役人でございました。
お役人の仕事をしている時代、私は父のことを、「外ではかっこいい人。家の中では別人」と思っていました。
スーツを着て仕事にいく父ちゃんは、りりしく背筋が伸びていて、顔の出来はともかく、「お。いけてる」と子供ながらに頼もしく感じられたのでした。
しかし、仕事のない日、家にいると、夏は肌着にすててこで、でれ~んとなっていて、「これがあのりりしい父ちゃんか?」と目を疑いたくなる始末。
今、仕事をする身になって思うのですが、引きこもりを決める日に、家の中で着るものに気を遣う気力なんてなかったんでしょう。
うちの母は専業主婦で、それも、父が「子供が学校に行ってる間は家にいてやってほしい」などと母に望んでいたため(注:母ちゃんは家の仕事が大好きなので、この父のお願いは願ったりかなったりだったようです)、自分の稼ぎに、自然、家族4人の生活がかかっちまっていたわけです。
そのプレッシャーたるや、あのまじめなお父ちゃんのこと、とてつもなかったのではないかと。
解放される休みの日、家族サービスをする予定もないとなれば、「すててこしゃんしゃん」になるのもうなづけます。
お父ちゃんは、実際、おしゃれな人だと思います。
紳士服のなにがし、みたいなところで、ズボン1本つけてスーツ1着29800円とか、そういうものは絶対に着ない人でした。
スーツは、若い頃はダーバンのものをよく着ていました。
多少年をとってからは、バーバリー一辺倒。コートもそうです。
普段着は、ラルフローレンで購入することが多く、足下は普段はカンペール、仕事の時は、やはりバーバリーです。
まあ、もうみなさんおわかりの通り、かなりトラディショナルな傾向が強い人です。
妻や娘に対しても、「どうしてズボンの裾を折るんだ?折るんなら切ればいいべや」とか言っちゃうし。
私が、一時アフロ寸前のスパイラルパーマにしていたときも、母には苦情を述べていたらしいですし。
母が法事用に買ったギャルソンのジャケットに目をひんむいた話は前回したとおりです。
そうすると、遊び心が全くないのかというとそうでもないのです。
ネクタイは、かなり斬新な柄を買うことが多い人でした。
イッセイミヤケとか、ヤマモトヨウジとかのクセのある柄が好きでした。
よく母は、誕生日なんかに父にネクタイをあげていて、買い物に一緒に行ったりしたのですが、私や妹が「これはどう?」なんて見せても、「これはパパはいまいち好きじゃないと思う」と、たいてい却下。
母がこれぞと選ぶものは(ま、アドバンテージもあると思うけど)、やはりツボにはまっていたようで、見事ローテーション入りするのでした。
2つ目の職場を退職した後、大学やその他いくつかの機関に非常勤で顔を出す父ですが、今はネクタイはせずに、ノーカラーのシャツにジャケット、パンツをコーディネートして出かけることが多いようです。
たまに帰省しているときに父の外出に出くわすと、「なに着てけばいいのよ?」なんて、母に尋ねていることがよくあります。
スーツ以外のコーディネートには、まだまだ母の手助けが必要なようです。
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