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2014年2月17日月曜日

パトリックチャンとミッシェルクワン

いやいや。
凄かったですね、葛西紀明。
しかし・・・またもテレマークにやられてしまいました、日本人選手。
飛距離だけなら文句なしの金メダルなのに・・・

葛西紀明は北海道下川町という道央の小さい町の出身。
とはいえ、ここは道内出身ジャンパーのほとんどを輩出していると言っても過言ではない町です。
彼は、たぶんジャンプ選手のなかでは珍しいと思うのですが、高校は札幌にある東海第四という「スポーツやりたいならここ」という学校に通ってまして、だから、札幌出身のハヤシとしては、年も近いし、勝手に親近感を感じて、昨日未明はテレビの前で感慨に浸っていたのでした。

しかし、メダル取って引退するのかと思ったら、ピョンチャンも目指すんだとさ、この人。
体力もさることながら、気力が続くのが、凄すぎる・・・

さて。
昨日今日と、ハヤシは、録画したフィギュアスケート男子フィギュアをリピートして観ていました。
デニスと町田くんと大輔を堪能するためです。

で、まあ、そうすると自分にとってはかなりどうでもいい、羽生くんとパトリックの滑りもまた目に入るわけで、それを観ながら、フリーの金銀頂上決戦は、期待したほどのハイレベルではなかったなあ、勝負としての感動はなかったなあと改めて思うのでした。

実は私、かなり前から、パトリックはオリンピックで金はとれないんじゃないかと思っていました。

いつ頃からかというと、実は世界選手権3連覇したあたりからです。
このあたりから、彼には、ミッシェルクワン臭がそこはかとな~く漂っていたのであります。

要は、「勝ちすぎ」なのです。

しかも、世界選手権3連覇あたりから、パトリックの絶対的な強さにもろさが生じ始めていました。

ジャンプが時にかなり不安定になってきたのです。

彼の場合、転倒はあまりないのですが、お手つきやステップアウトする機会が増えてきました。
特にどうもトリプルアクセルが苦手なようで、大きな大会でクリーンに入らないことが目立つようになってきたのも、私の記憶ではこのころ、だったような。

それでも、訳が分からないくらい高得点が出続けて、世界選手権はじめ主要大会で優勝し続けていたわけですが、結果とは裏腹に、彼の危うさが目に付くようになってきたのです。
なんというか、「勝たせてもらってる」感があるというか。

フィギュアの世界って、やはり採点競技ならではで、世界選手権やオリンピックでの順位付けは、審判団から見た序列が反映されるものだと思うのです。
昨年の世界選手権までは、どんなにミスっても、審判団からは「君が序列の上では一番上だと思うよ」と言ってもらってたわけですね。

ただ、そうはいっても、やっぱり一番をつけてあげられる「我慢の限界」というのがあるもので、その限界を超えるミスをやらかしてしまうと、審判団はあっさり、「いくら何でもそこまでやらかしたらあきまへん」とばかりに、王座から引きずりおろしてしまうのです。

パトリックは、2013年の世界選手権あたりで、「我慢の限界」切符を使いきっちゃったような気がしてなりませんでした。

おまけに、この人、案外気が小さいと思うし。

世界選手権三連覇→オリンピック金メダルとってある意味当たり前、みたいな流れで見られれば、その肩にかかる重圧たるや、とんでもないでしょう。自分でも、欲が出るし。

そうすると、普段はしないようなミスも、本番では犯してしまうのです。

まあ、色々と好き勝手な御託を並べましたが、ハヤシは「この人、きっとオリンピックでやらかすぞ」と思っていました。
で、案の定、色々やっちまったわけです。

ちょいちょい、ミスは試合でやらかしてましたが、あそこまでひどいのは、さすがになかったよねえ・・・
審判団は「君を世界で一番とはいえないねっ」と引導渡しちゃったのも仕方ない。羽生ちゃんは2回転んだけど、その後は、特に大きな問題なく飛んでたからねえ、ジャンプ。

確かパトリックは、今23歳だったと思うのですが、だとすると、次のピョンチャンを目指すにしても、そのときは27歳。選手としてのピークは一般的には過ぎています。

そうすると、今回金を逃したのはかなり痛い。
今、羽生ちゃんが19歳、デニステンが20歳で、実は脂がのっているのは次回のピョンチャンだったりして、戦いは、おそらく彼らともう一世代下の新星との間で繰り広げられるのが世の常でしょうから・・・

ジュベールとか、ベルネルとかが、今回、一世代前の古い選手(ジュベ、ごめん!!)に見えてしまったように、彼もおそらくはそうなると思うのです。
プルシェンコみたいに「出てきたからにはメダル渡さないとまずい」という独特の威圧感も、パトリックにはないしね。

そうはいっても、今後1年や2年は「パトリックと羽生、因縁の戦い」みたいな構図が、一時期の「キムヨナと真央」のように作られ続けていくんだと思うのですが、その中に、今回銅メダル争いを演じたテンとか町田くんとかジェイ子にしっかり割り込んでもらって、男子フィギュアを真の戦国時代にしてほしいと思うのでした。




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