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2014年11月23日日曜日

タツキにテンに、ハルカが来るぜ。

長野で大地震ですか・・・
家も倒壊しているようで、この寒い時季、特に長野は寒い地域ですから、被災した方には、なんと申し上げてよいやら・・・と思います。

が、あまり自粛するのもどうかと思うので、本題に入ります。

グランプリシリーズ、フランス大会。
男女ショートプログラムが行われました。

いや~、よかった。実によかった。
何がよかったって、やっぱり男子シングルです。
日本選手でいえば、高橋大輔の不在を、しっかり町田君が埋めてくれています。

高橋大輔の存在感。それはずばり、「うっとり」です。
見た目がどうとかいう問題ではありません。
演技に「うっとり」できる、高橋大輔は、男子スケーターの中では、本当に数少ない、そういう存在でした。

今日の町田君、最後のジャンプでミスは出たものの、その優美な演技に終わった後は、ほーっとため息が漏れました。
また一段と芸術性というか演技力が増したなあという感じです。

町田君は、大輔不在の穴を埋めてくれている、と先ほど書きましたが、ポジション的には、ちょっと大輔とは違うと思います。

大輔は、氷の上で、コンテンポラリーなダンスを披露してくれる人でした。クラシカルな雰囲気ではありません。
ラフマニノフとかやったりしても、クラシックを踊っている雰囲気は全くない選手でした。

これに対して、町田君は、氷上でバレエを演じている雰囲気の人。姿勢や手足のしなやかさが、そう思わせるのだと思います。おそらく、バレエはかなり本格的にやっていたのではないかと。

このくらいバレエの雰囲気を持つ選手って、女子でもあまりいないので(昔々のオクサナ・バイウルくらい、でしょうか)、その存在は、本当に希有です。
表現の仕方の系統としては、ランビエールに非常に近いものを感じます(見た目が違いすぎるんで、一緒にすんな、コラとか言われそうですが)。

ランビエールの演技も、また「うっとり」でした。
そして、彼は、クラシック音楽にこだわり続けた人でした。
トリノシーズンのフリーは、ヴィバルディの「四季」の中から「冬」を、「山の中で迷うシマウマ」というよくわかんないインスピレーションで踊りました。
バンクーバーシーズンも、ウィリアムテルや、椿姫・・・

今年、フィギュアではボーカル曲が解禁になり、多くの選手が、割りに今っぽい感じのボーカル曲を使っている中で、町田君が選んだのは、よりによって「第九」・・・いや、確かにボーカル入りだけどさ、ISUの解禁の趣旨って、そういうことじゃなかったんじゃないの・・・と突っ込みたくなるようなチョイスです。

しかし、アジアの選手でありながら、こういうチョイスをしてしまうところが、ランビエールとも違う存在感を放つ「町田ワールド」の由縁、なのであります!!

羽生ちゃんだの、チャンだの、と言われておりますが、実は、ハヤシ的には、ピョンチャンまで男子フィギュア界を引っ張っていくのは、町田君とデニス・テンではないか、と思っています。

そう。デニス・テン。ソチの銅メダリスト。
彼もまた、個性的な表現力を持つ希有な存在であり、その演技は町田君と対照的。
男っぽく、そして、ちょっと最近男性的な色気、が出てきました。
「優美でクラシカル」な町田君とは、全く違う持ち味です。

技術的に波があるのが気になるのですが、今回のフランス大会のショートみたいに、ジャンプがはまると、オリンピックチャンピオンにだってなれる本格派です。

ジャンプは飛べるけど、ひょろひょろちゃらちゃらしていた羽生ちゃんと、技術はあるけど見ていてちっとも面白くないチャンという対立軸から、本格派の町田君vsデニスという対立軸への転換がそろそろ始まるかなあという。

もちろん、この二人に、当然、羽生ちゃんや来年復帰するであろうチャンも絡んでくるだろうし、中国のエンカンもどんどん伸びてくると思います(エンカン・・・いい選手だと思います。彼も系統としては、男らしいクラシカルな正統派だと思います)。

こう考えると、男子は、トリノあたりの「ずん抜けた選手はいないけど、群雄割拠で面白すぎる時代」になりそうな予感がします。
そう・・・トリノのころは、ランビエール(銀)、ジェフリー・バトル(銅)に、ジュベールもジョニ子もいた。非常に見ていて楽しい時代でした・・・金メダルは、プル様がかっさらっていっちゃいましたけど。
今の男子フィギュアの特徴は、先に挙げた名前を見てもわかるとおり、なぜかみんなアジア、ないしアジア系の選手が強い・・・ということなんだな。

あんまり地域が偏っちゃうと、それはそれで面白くない・・・さっき上げた人たちに、ロシアのコフトゥンやアメリカのジェイ子ががっつり絡んでくれれば、男子は技術レベルあがりまくり、個性の花開きまくりで、本当にどの大会からも目が離せなくなる、すんごい時代になるんじゃないかと、そんな予感がします。

それにひきかえ、女子・・・
なんか小粒な選手ばかりで、面白くないんだよなあ・・・
ロシア選手がすごいすごいともてはやされてますけど、ラジオノワちゃんだけがひとり抜けてる感じで、あとはドングリの背比べ、ですよね・・・
リプニツカヤにも去年の輝きは感じられないし・・・(つうか、思春期太りの入り口に入ったよね、彼女)

アメリカも、グレイシー・ゴールドって新星がいるけど・・・ワグナーみたいに、結局「今一歩」のところで止まって終わりそうだし・・・

日本選手に目を向けると、いきなり本郷さんがグランプリシリーズで優勝したり、いい話題はあるにせよ、村上佳菜子はいまいち評価が低いし、荒川さんとか村主さんとか、真生ちゃんとか鈴木さんとか、輝くオーラの持ち主が、なんかいない・・・

そんななか、私が注目しているのは、今井遥ちゃんです。
え?と思わないでください。

遥ちゃん、潜在能力で言えば、今の日本女子選手のなかでナンバーワンだと思います。
あの可憐さ、お嬢様な雰囲気、どこまでも清廉で爽やかな演技・・・
あんな雰囲気出せる女子選手、他にどこにもいやしません。
しかし、よく転ぶ。
どうしてそんな簡単なジャンプで転ぶのか。
いや、ジャンプならともかく、今日はステップで転んでいた。せっかくジャンプ、全部決めたのに・・・

存在感的には、コストナーに近いのです。
そう、10年くらいさっぱり目が出なかったコストナー。
潜在能力なら世界ナンバーワンと、モロゾフに言わしめたコストナー。
そのニオイを、私は今井遥にプンプン感じるのです。

だから、遥ちゃん。
くさらずに、ピョンチャンシーズンまで、スケートを続けておくれ。
いつか、転ばずに、いい点出るようになるからさ・・・

ま。その前に、明日のフランス大会の男女フリー、どうなることやら・・・

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