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2014年12月28日日曜日

村上佳菜子は引退しなくちゃいけないかもしれない。

ども。帰省中のハヤシです。

26日の夜、予定よりやや遅れて午後8時ころ実家にたどり着きました。
その後は、全日本選手権男子ショートプログラムを堪能。
どうやら、仕事関係の皆さんの飲み会があったようで、暗に来いといわんばかりのメールが来たのですが、いわゆる飲みで仕事のつながりを、みたいな世界は個人的には好きではなく、やんわり、さりげなーく無視(というか、大勢の飲み会、好きじゃないんですよね、ハヤシ)。

本日は引き続き、女子ショートと男子フリーを観戦しておりました。

日本の男子選手は、今、群雄割拠の状況で、髙橋大輔引退後も非常に楽しめます(今日のフリーは、ちょっと残念な結果でしたが、個人的に…)。

が、しかし。
女子は、村上佳菜子がいまいちシーズン序盤、パッとせず、宮原知子ちゃんとか本郷理華ちゃんは、日本のトップ選手ではあるけれど、まだまだ、「この子に任せて大丈夫」というほどのオーラは出ていない、ということで、今年の全日本女子シングル、どうなるんやろ、と、去年までとは別な意味での興味をもっていたのでありました。

スケートオタ(そうじゃなくても)なら当然みなさんご存知でしょうが、フジの放送は、基本生中継ではありません(今日は男子のフリーは生でしたが)。
ヤフーの速報で、テレビより前に結果を知ることができます。

私は、テレビの中継を見る前に、村上佳菜子が9位でショートプログラムを終えたということを知ってしまいました。しかも、点数は、採点甘々の全日本で57点代前半という信じられない点数(注:今年は採点が辛かったらしい)。
さらに、転倒など大きなミスはなく、演技直後は佳菜子ちゃん自身、会心の笑みを浮かべていたらしいと…
おー、こりゃこりゃ非常に興味をそそられる、と思い、テレビ観戦に臨みました。

はっきり言いましょう。
正直、57点は、ちょっと厳しいかなあと思いました。
が、しかし、60点台に乗るような演技ではなかった。

まず、3つあるジャンプのうち、1つ目と2つ目が回転不足をとられたとのことですが、素人目に見ても1つ目のコンビネーションジャンプについては、回転不足であることがわかりました。
2つ目のトリプルフリップについては、回転不足とは思わなかったけど、入りのスピードは非常に遅かった。

さらに、スピンでふらつき、ステップもしょぼい(エッジが浅い。きちんとステップを踏めていない)。レベルがきちんと取れていないでしょう。全体的にスピードなかったし。

一見大きなミスはなかったし、クリスティーナに感情移入していて、まあ、演技自体はできていたかなあという感じだったので、会場はスタンディングオベーション。佳菜子ちゃんの表情も「会心の出来でした~」。
で、キス&クライで点数が出たのを見て、凍り付いていたわけです。

おそらく会場では、細かいところまで見えないので、一見ノーミスで「オペラ座」みたいな劇的な曲だと、なんか雰囲気的に盛り上がっちゃうのだと思うのです。

が、テレビで見た感じ、はっきり言って、彼女の演技「ダメダメ」でした。
あれで、よくできたと自分で思っていたのだとしたら、明らかに感覚がずれている。
そして、村上佳菜子の場合、このパターンがもう先シーズンあたりから続いていて、今年は、さらにひどくなっているように見受けられます。
だって、グランプリシリーズの時にも、ショートが終わった後「もうちょっと出ると思っていた」みたいなコメント出してましたからね。

村上佳菜子に関していえば、シニアデビュー時こそは、国際審判の評価も高かったけれど、それは、世界ジュニアで優勝して鳴り物入りでシニア参戦したからであって、その後の評価は落ちる一方。
本当は、オリンピックだって、宮原知子ちゃんが出たほうがよかったんじゃないかと思うくらい。

しかし、村上佳菜子は、おそらく、「自分の何がいけないのか」ということについて、おそらく根本的に理解できていないのです。例えば、ジャンプのずれ、であるとか、ステップを踏む感覚であるとか、分析できていないままズルズルズルズル来てしまって、深い深い迷宮に入り込んでしまっている。

そして、私が最も気になるのは、技術的な進歩がそもそも見られない、ということなのです。

女子の場合、もっとも点数を稼げる技は、コンビネーションジャンプ。3回転3回転の連続ジャンプを跳ぶことは、もはやトップ選手にとっては、最低条件です。

村上佳菜子の連続ジャンプの持ち技は、トリプルトゥループ×2です。
トゥループは、6つのジャンプのうち、一番簡単で基礎点が低いもの。つまり、一番簡単なのを2回繰り返すだけ、なのです。
そして、これ、シニアに上がった時からやっているもので、その後、それ以上難しいものやっていないんですよね…

かつてキム・ヨナの専売特許だったトリプルルッツ・トリプルトゥループは、最初のルッツジャンプがアクセルの次に難しいジャンプで、非常に高得点を稼げました。
が、しかし、いまやロシアの女子選手は、私が知る限り3人はこれ飛べるし、宮原さんも飛べます。
確か、ゴールドも飛べたんじゃないのかな。
ここまで飛べなくても、最初のジャンプを1個簡単なフリップジャンプにしたコンビネーションであれば、アメリカのワグナーが飛べます。
実は、話題になった13歳の樋口新葉ちゃんも、今日これを跳んでいました。

ちなみに、真央ちゃんは、その後飛ぶのに苦労するようになりましたが、17歳くらいまでは、トリプルフリップ・トリプルループという2つ目のジャンプがトゥループより1つ難しいのを跳んでいました(ソチシーズンにまた取り入れるようになった)。
そして、ソチ金メダリストのソトコニコワは、ルッツ・ループというジャンプが飛べます。現役で最高に難しいコンビネーションです、現在。

世界はここまで進歩しているのに、村上佳菜子は、いまだに簡単なジャンプ×2しか飛べない。しかも、それですら回転不足をとられる始末、なのです。

そのことに村上ちゃんは、気づいてないんじゃないのか、今日のあの表情。

まあ、まだ若いんで、彼女。今シーズン終了時にじっくり考えて、時間かけてすべて修正していく、ということも可能であるようには思えます。

でも、ごめん。これ、偏見なんですが、佳菜子ちゃん、そういう我慢強さと賢さがあるように、見えないんだ、ワタシ。

全日本ていうのは、魔物が住んでいるところで、いままでも大どんでん返しが多々起きてきた大会でした。
9位とはいえ、実は4位以降は58点台から57点台に入っていて、しかも、ジュニアの子も確か含まれているので、後半体力勝負になるフリープログラムでは、佳菜子ちゃんが有利な状況にあるとも言えます。
そして、3位の新葉ちゃんとの点差も7点差くらい。今のルールならミス1つで7点くらい簡単に変わってしまいます。

そういう意味では、佳菜子ちゃんが見事に1日で修正をかけて、明日パーフェクトな演技をすれば3位以内に入って世界選手権に出られる、という結末になる可能性もなくはありません。
そういう結末になれば、一気に不振から脱出できるかもしれん。

しかし…さっきも書いたけど、この可能性どうなのかなあ、正直。

で、悪いけど、今回表彰台に乗れずに終わったのなら、佳菜子ちゃん、本気で引退考えなくちゃいけないような気がする。

だって、佳菜子ちゃんに生じている「ずれ」は、たぶん、もう埋められないように思うから。

20歳そこそこの女の子に対して、こんな辛口コメントするのは、おばさんも正直つらいな、ひどいなーと思ったりすんだけど…なんですか、「この子の行く末楽しみ!!」という、選手としてのキラキラオーラが、ないもんなあ、佳菜子ちゃん。

グランプリファイナルに繰り上げ出場できた本郷さんなんかは、ラッキーを身にまとっているせいもあるけど、大きく優雅で自信もって演技できて来て、オーラがわいてきているもの。
宮原さんも、本郷さんとはまた違うけど、昨年の地味~な雰囲気から、一歩シニアっぽい大人の雰囲気に近づいてる感じがあふれているし。

本郷さんには、演技の華やかさ・大きさという武器が、宮原さんには、技術に正確さという武器が、それぞれあるけど、佳菜子ちゃんには、どちらもないですからねえ。

正直、表彰台を逃して世界選手権の出場も逃すという結果になったら、早めに第二の人生にかじを切ったほうが、佳菜子ちゃんにとってもいいんじゃないか、ホントと思っています。

明日、日本の女子フィギュア選手の中で、一番の大注目は「村上佳菜子はどうなるのか、どうするのか」という問題です。
無事表彰台に乗って世界選手権に行くのか。
それとも、表彰台に及ばず、格下の四大陸選手権の出場権は得るものの、引退を受け入れるのか。
個人的には、どちらかの結論になるような気がします。

女子の場合、男子よりも明らかに世界選手権の出場枠3枠をキープするために優秀な選手をしっかりチョイスすべきニーズが高いのです(注:知らない人のために言うと、1年後の世界選手権のくにごとの選手数割当は、前年の世界選手権におけるその国の出場選手の順位の合計額に寄ります)。
ですから、連盟としても、過去の実績とかネームバリュー的なところで、簡単に村上、とも決められないのです。
佳菜子ちゃん、ホントにちゃんとやんないと、アウトだと思います。今年全然結果出ていないし。

そんなわけで、明日の全日本女子フィギュアは、村上佳菜子という女の子の人生と今後も世界選手権で日本は3枠をキープできるかという、この2つが、それはそれは重要なテーマになりそうだ、などと勝手に思ったのでありました。







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