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2016年4月2日土曜日

宇野くんの姿に泣けてきた2016世界フィギュア男子シングル。

あなたは、見ただろうか(独り言なのに呼びかけるという禁じ手)。
宇野昌麿くんのフリーの後の表情。
演技が終わった後、一瞬うつろな目で呆然。
無表情で観客にあいさつ。
樋口コーチに抱きしめられた後、キス&クライへ。
アップになった彼の顔を見ると、頬には涙が伝っていました。

後半2本目の4回転ジャンプまでは、わりに無難な演技で乗り切ってきていました。
が、後半に組み込んだ4回転ジャンプ(1本目が単独だったので2本目は連続ジャンプにしなければならない)で、胸から腹をもろに打ち付ける大転倒。
起き上がった後一瞬おなかを押さえて顔をしかめました。

そのあとの演技。
トリプルアクセルと、トリプルアクセル+トリプルトゥループという2本のジャンプに、彼の代名詞であるクリムキンイーグルがまだ残っていました。
ここからが、鬼気迫る演技に。
ジャンプ2本をクリーンに決めた後、荒川静香のイナバウワーも真っ青なくらい、いつにも増した反り具合のクリムキンイーグル。すごいスピードで突っ込んでったし。
ジャンプミスを考えるとあの点は仕方ないとはいえ、点数以上に感動を与える演技でした。

四十路もといアラフィフのおばさんは、演技終了直後、一度、ウルッときてしまいました。

そのあとの呆然とした彼の表情に、びっくりしたね。
「え、え、どおしたのさ。大丈夫か?具合悪いのか?」
などと、俗なことを考えてしまい…

そして、キス&クライでの彼の涙を見て、涙腺決壊。
そうか。本人的には呆然となるくらいの出来の悪さだったわけだ(いや、気持ちはすごい入ってたて、いい演技だったんだけど、私からすると)。
樋口先生に抱きしめられて、初めてそれが涙という形になったのかと。
ここにかけてきた宇野君の想い、無念さが画面を通じて、どわーんと伝わってきた。そんな感じでした。

そのあとのインタビューで、いつもより頑張った時は必ずいい結果がついてきたのに、今回はとても悪かった、それが悔しいという話をしていました。まだ、涙は完全には止まっていなかった。

このインタビューを見て、おばさんは思ったのであります。
これがシニアの世界選手権なんだなあ、と。
自分でもよくわからない「何か」に支配されて、今までできていたはずのことができなくなる。
そして、強くなるために、これをそれから追及していかなければならない。
宇野君、いい世界選手権経験したんだなあと、そう思いました。

これなんだよ。
世界フィギュアの面白さは、人の人生の大切な瞬間を目撃することができるところにあるのです。
フィギュアスケートは、その人の全人格が出るスポーツと言われるが、まさにその通り。

今回の世界フィギュアは、正直、あまり見る気が起きていませんでした。特に男子。
だって、イチオシのジェイ子が出ないから(けが)。
羽生ちゃんオンステージで終わるんだろう、所詮、と思っていたから。
しかし、やはり見てよかった。
これからハヤシの男子フィギュアの楽しみは、ジェイ子の演技がどんな風に進化していくか、宇野君がどうやって自分らしさという武器を発揮していくかになると思います。

さて、羽生ちゃん2位という結果についてですが、ハヤシの感想は「バチって当たるんだなあ」ということです。
そう、今日のフリーは、神様が彼に下した天罰です(天罰にしちゃ、やや軽めだと思うけど)。

言わずもがな。
デニス・テン事件です。
大会前2度の接触未遂について、どちらに非があったのか、デニスが本当に妨害したのか、そもそもこういう局面でどちらに非があるなんて言いきれるのか、というのは、ほんとのところ、よくわかりません。
しかし、個人的には、故意の妨害というのは妨害する方のリスクも高いんであって、ほぼほぼありえないのではないかと感じます。

でさ、公平にデニスの言い分も聞けば、羽生に言ってることは、自分が練習してるときは自分がこのリンクを支配して当然なんだから、周りの奴は全部どけよと言っているようにも見えるわけです。

そこまでじゃないとしても、「それはねえだろ、お前」と怒鳴りつける行為、ショートでいい成績を出した後の「よっしゃー、見たかあ(この後、デニスが省略されてたんだろうと想像する)」という雄たけびは、あまりに下品で、「氷上のダンス」から始まったフィギュアスケートというスポーツの選手として、ふさわしくないことこの上ない、同じ国の人間として、ホントにもう、こんなアホンダラを日本代表にしちゃってごめんなさいと言いたいくらいの恥ずべき行為だと思うわけであります。
しかも、いい成績出した後で、自分は実は精神的にぐちゃぐちゃだったんだとか、デニスを落として自分を持ち上げるようなはつげんまでしているわけで。

相撲界では白鵬のダメ押しとか、千秋楽の立ち合いの変化とかが「横綱としてふさわしくない」とたたかれましたが、個人的には、こんな問題よりもよっぽどひどい話だろと思う。

そういえば、昔、キムヨナが日本選手にいつも妨害されてるとか突然言い出したことがあったけど、そのころ、彼女もオーサーについていたのよね。
で、デニスは、オリンピック、2015年世界選手権と続けて銅メダル。
スロースターターで、シーズン前半はいつもグダグダとはいえ、大きな大会には強い。
羽生ちゃんとしては、不気味で怖い、いやな選手だったんではないかと。
で、こいつが上に上がってこないよう、一発脅しとけ。
実は、あんたが周到に仕掛けたんじゃないの~、と言いたくなる。

事実、デニスのコーチのキャロルおじさんは、(故意とまでは言ってないけど)羽生君はここ2年で3回の接触トラブルがあると指摘していて、むしろ羽生側に問題があるんじゃないのと示唆しているわけです。

今日はもう6分間練習の時から集中していないのがありありで、振り付けも雑ったらない。
2番という滑走順に慣れてないから、なんて言っていたけど、そんなこと言い訳にするのも選手として失格。フィギュアなんて、どんな順番にもなりうるでしょうーが!!!
さらに、終わった後に「ありがとうございました~!!!」とかとっさにかわいい顔して叫んじゃう当たり、本当に自分の演技に魂込めて滑っているのかも疑問なんであります。
終わった後って、しかもいい演技できなかった後って、ふと一瞬演技を振り返ったり、自分を見つめたりするもんなんじゃないの?

まあ、そんなこんなで、他の選手を恫喝するような高慢ちきな態度に業を煮やしたスケートの神様が若干の天罰を羽生に下してくれたことで、ハヤシは非常にすっきりし、宇野くんの涙に心を洗われる素敵な時間も過ごせたのでありました。

人間の中には天使と悪魔が住んでいるっていうけど、ホントですな。

さて、明日の女子シングルはどうなることやら。
午前中はヤフーの速報追いかけるのが大変だわ。

ちなみに、アイスダンス、クリスリードと村本哉中が15位と大健闘したそうで。
クリスよかったね。お姉さんもきっと喜んでるさ。




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