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2016年11月12日土曜日

男子を王子様にしてしまう、あのラベンダー色の曲。

ども。11月12日土曜日、グランプリシリーズフランス大会前の時間です。

本日はちょっとしたお仕事で成城学園前に行っており、帰り道、御茶ノ水近くのスタバで一服しているとことです。

札幌で豪勢に色々買ったんで、お買い物する気にもなれないしねえ…

真央ちゃんが8位、樋口新葉ちゃんが5位、無良くんが6位からのスタートというなんともテンションの低いショートの結果に、ネイサン・チェンとかいう4回転小僧を見るくらいしか、もう楽しみないかもという雰囲気ですし…

先日のロシア大会以降、ハヤシの頭の中は宇野昌磨くんだらけです。
立派におばさんです。
演技しているときの表情と普段の幼さが残る姿のギャップにやられてしまい、ネットで彼の情報の追っかけをしている始末。

YouTubeでは、一昨日あたりまでほぼ毎日、ロシア大会の彼の演技を寝る前に堪能していました。

確かこのブログで、少し前に、今年のショート「ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲」に関しては、「昭和の王子様」臭がプンプン漂うマッチーの方がいいと言いました。

前言を撤回します。
両者甲乙つけがたいです。

技の話をしているんではありません。
王子様感の話です。

この曲、2004年の映画「ラベンダーの咲く庭で」に使われた曲です。
内容は、二人暮らしの老女の姉妹の自宅の庭に、嵐の翌朝、一人の若い男性が行き倒れになっていた。その男性はしばらくの間その家に住むことになるが、バイオリニストで、やがて生涯独身の姉妹の一人が淡い恋心を抱く…というもの。

つまり、老姉妹からすれば、このバイオリニストは目の前にもう、ひっさびさに現れた王子様、なわけです。この曲を踊る男子は、王子様たらねばならんと、そういうことになるわけであります。

で、マッチーは、2014から2015年シーズンの当初から、自分なりの王子様像をバッチリ完成させて臨んできました。
その姿は、もう昭和の少女漫画に出てくる、女性に対する愛をまっすぐに捧げ尽くす古式ゆかしい、ある意味40代のハヤシから見れば正統派の王子様。若干暑苦しくて肉食系というものでありました。
それが、マッチーの入り込む演技にまたぴったりで、もう、ピカイチだよな、と思わせたわけです。

対する宇野くん。
シーズン当初は、綺麗に踊ってるなあという印象はあるものの、王子様臭はあまりなく、正直演技としては物足りなかった。

が、ロシア大会で一皮向けました。
マッチーとは違う、王子様像を提供してくれるようになりました。

宇野くんが演じるのは、ピュアで所々に照れや奥ゆかしさを見せる、まだ若い若い王子様。
私はかの映画は見ていないのですが、おそらく老姉妹の視線では、バイオリニストの若い男はこういう姿に見えたのではないかと思うのです。
だからこそ眩しい。
若き日の甘酸っぱい想いを蘇らせる。
ある意味大人が見た方が良さがよくわかる王子様。
そんなコンセプトを感じます。

宇野くんがこの曲で一皮向けてここまでの美しい王子様像を見せてくれることができるようになったのは、フリーの曲の影響もあるのかなと思います。
フリーの曲は、ぶっとい女性のダミ声響く情熱的なタンゴ。
もうピュアとかそんなどころの話ではない、情熱の愛を感じさせる一曲です。

この曲で宇野くんは、かっこいい男を演じることに集中しています。
彼女もいないどうやらゲームオタクらしい宇野くんからすると、とても難しいのではないかと思うんだが…
とはいえ、ある意味正反対の自分を演じることの方がやさしいのかもしれない。

そういう振れ幅の大きい正反対の曲をフリーとショートでやることによって、宇野くんの男っぽい面と同時にピュアな王子様な面が発揮されるようになってきたのかなあと思うのです。

いや、面白い。

演じるごとにじわじわとその曲の主人公になっていく、その過程は、とてつもなく魅力的です。
そして、「ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲」は、踊る男子を王子様にしてしまう曲なのかもしれません。

この曲、とてもドラマチックな曲なので、この後も多分踊る人が何人も出てくるでしょう。
いろんな選手のファンタジアを比較するのも、また楽しいものなのだろうなと思います。


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