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2023年1月15日日曜日

つぶれる人々

 一昨日の金曜日、コロナワクチンの5回目接種をしたこともあり、今回の土日は、昨日知人と小一時間ほどお茶したくらいで、あとはゆっくり自宅で過ごしております。

オミクロン株対応のワクチンは、言われていた通り、副反応がとても軽く、腕痛と昨日の夕方の若干の頭痛くらいしかありませんでした。

これくらいの副反応で済むなら、いつでもワクチンウエルカムです。

6回目接種も始まったら行ってくるつもりです。


さて、数日前のこと。

私はかつて独立行政法人が運営する全国規模の法律事務所で勤務していたのですが、とある先輩が、その事務所のOBOGのメーリングリストに投稿していました。


内容は、1年ほど休職していたが、この度地元に帰って新たに事務所を始めることにした、という挨拶でした。

それを読んで、この人、少し前にメンタルをやられて倒れたと、風の噂に聞いていたことを思い出しました。


この方、古巣を退職して独立してから、刑事事件に離婚にと個人のクライアント中心に仕事をとってやっていたはずの方でした。


そして、そういえばと思い出したのが、この先輩と同期の古巣の先輩。

Twitterでも積極的に発信していて、SNSの弁護士界隈では、まあまあ有名な人だったのですが、この方も昨年8月末に、自宅で目眩を起こして倒れたのをきっかけに発信をやめてしまいました。


やめる直前のツイートに「治療に専念する」とあったので、もしかすると病気なのかもしれません。亡くなったとは聞かないので、そこまで深刻な病気ではないと思いますが、例えばメニエル病とかなのかも。

ただ、ぶっちゃけストレスかなとも思うのは、うちの母がストレスで何度かひどい目眩を起こして倒れて、病院に運ばれたこともあったからなのですよね…

この方も刑事事件に離婚事件といった個人のクライアント相手の仕事をしている先輩でした。


そして、衝撃だったのが、札幌にリターンしてから聞いた話。

私の中学の同級生にして、司法修習同期の友人がまあまあ重いうつ病になってしまったのでした。

この友人、同期の友人数名と一緒に事務所をやっていて、その一人と偶然会った時に話を聞いたのですが、これはちょっとショックでした。


中学の頃はイケイケのモテ男で、修習生の時もマイペースで飄々と過ごしていて、「うつで倒れる」というところからは遠いところにいると思っていたので。

この友人がうつになったきっかけは、事件の相手方が厄介な人物でそれとのやり取りだったと聞きました。

やはり個人のクライアント関係の事件だったようです。


私が以前いた東京の事務所も、私がいた4年の間に(私を除いて)3人がメンタルをやられました。

うち一人は、事務所に来なくなり連絡もつかなくなり、やむなく解雇になってしまいました。確か病名は適応障害だったはず。


それ以外にも、副所長の男性弁護士がメンタルをやられて2ヶ月間副所長の仕事を停止したり、後輩の女性弁護士が1週間休職したこともありました(この子の場合原因は所内不倫だったりしたわけですが…)。

以前何回か書いたかもしれませんが、私が前にいた事務所は、もともと刑事事件が専門の事務所で、それ以外でも取扱事件の中心は、離婚などの家事事件や債務整理とやはり個人のクライアント相手だったりします。


で、何が言いたいかと言うと…

周りで潰れた人の多くが、刑事事件や離婚事件といった個人の事件を取り扱って、真剣に取り組んできた人たちだったわけで、自分自身もそうだった。

今般、離れることができて、つくづく良かったと思うのであります。


一生懸命転職活動をしていた昨年3月から6月末頃にかけて、それまでやっていた個人のクライアント相手の事件から離れたいと思っていました。

ただ、経験15年目の弁護士の転職というと、それまでの取扱事件がとても重く見られるので、そこからガラッとキャリアが変わる企業法務系事務所とか会社の中に入るインハウスロイヤーとかに私がなるのは、とても難しかったわけです。


なので、一応?企業法務系の今の事務所に移籍できたのは、結構奇跡に近かったのです。

本当に移籍できて良かった…

確かに、今の職場で「自分の立ち位置がわからない」「私向いているのかしら」と感じることもあるけれど、ストレスのかかり具合が段違いですから…

正直、前の仕事にはもう戻りたくないです。


というか、タチの悪いクライアントや相手方に何度も当たりながら(うち1つは本当に酷くて、嫌がらせで懲戒請求までされた)、よく自分つぶれ切らなかったな…と、ちょっと感心しています。

前の事務所にいた時だけでなく、一人事務所の時にもそういう目に遭ってますからね。


自分でやばいと思った時に医療にかかって、かかった医者があまり良くないと思ったら医者を変えて、予約外でも調子が悪かったら病院に行って、というのが、奇しくも「適切な対処」だったのかもしれません。


自分で気づかずに、根性で乗り切ろうとしていたら、私も先輩や友人みたいになっていたのかなあと感じます。

一度倒れてキャリアが途切れると、まともな収入稼げるように戻すまでに、かなり時間がかかると思うし、その過程で、また無理して再度倒れるなんてことになりかねませんからね。


ぶっちゃけ、地元に帰った先輩は、性格考えるともう1回倒れるんじゃないかという危惧があるし、同級生の方は現在週2回くらいしか出勤していないらしく、完全復活となるとかなり時間がかかるのかななんて思っています(小学生の子供がいるのに大丈夫なんだろうか)。


自分は大丈夫なんて過信しないこと、自分は弱い生き物なんだと自覚して、頼れるところは頼ることが、つぶれ切らないためには必要なのかもしれないな、なんて思ったのでした。















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