何年かに一遍、ファッション傾向が自分的に違う方向にシフトすることがあります。
年々そのシフトのタイミングが早まっている気がします。
大学生のころは、ジュンコシマダ。これは紺ブレにあこがれたのが最初でした。
その後、カジュアルおばさん御用達ブランドになる前のマドモアゼルノンノンのパンツを愛用していた時代がありました。
そして、その後、マーガレットハウエルにはまりにはまった時代があったのです。
たぶん30歳になってまもなくの頃だったと思います。7,8年続きました。
一番最初に買ったのはコットン100パーセントの水色のシャツでした。
当時、しがない予備校講師をしていた私には、決して安い買い物ではありませんでした。
でも、襟の形といい、着た時のシルエットの美しさといい、着やすさといい、もう最高で、大事に大事に着続けてきました。
実は、このシャツ、まだ現役でクローゼットの中に残っています。
いまだに生地もよれず、ボタンもとれず、パリッとしたまま。結構な頻度で活躍しています。
その後、ニット、ワンピース、コート、パンツ、かごバッグ等々、足に合わない靴を除いて、ほとんど毎日マーガレットな服装をしていたわけです。
特に黒のハーフコートは、周りの人々がみな「これはいいコートだね」と言ってくれる代物でした。
10年以上着続けて、裏地がぼろぼろになり、昨年末に仕立屋さんで直してもらったところです。
こちらも現役。
司法試験の口述試験の際に着たスーツも、マーガレットハウエルでした。
丈夫で上品でシルエットがきれい。
自分は永遠にマーガレットで行くんじゃないか。
そんな風に思っていた矢先、マーガレットのデザインが変わり始めたのです。
4,5年前のことです。
一言でいうと、「ゆったり感強すぎ」のデザインになったわけです。
パンツは太すぎ。
上に着るものは、ジャケットからニットからシャツから、身幅とりすぎ。
色味も、パステル調が強い感じに。
世はちょうど、ナチュラルファッションブーム。「森ガール」などという「要するに、大草原の小さな家のローラだろ」というファッションの女子が多発し始めたころではなかったでしょうか。
マーガレットも明らかにその方向にシフトしたのです。
私は弁護士になりたてのころでしたが、デザインが体型や私の見た目に全く合わなくなり、とんと選ばなくなってしまいました。
後から聞いたところによると、ちょうどそのころデザイナーの交代があったそうで、それに伴うデザインの変化だったようです。
あんなに素敵だったマーガレットが、と思うと、ちょっと悲しくなりました。
その後は、一時アーツ&サイエンスにシフトしていましたが、あるショップの方からソニアパークの振舞について話を聞いてちょっと気持ちが冷めたうえ、ボタン付けが甘い、生地感が日常着として取り入れにくい、デザイン重視のために動きにくいという問題が多発するようになり、次第に遠ざかっていきました。
ここ数年は、コムデギャルソンに強く強くシフトしていました。
着すぎたからなんだろか。
今、気持ちがギャルソンから若干遠のいています。
もちろん、定番は品質もデザインもいいものが多いし、これからも離れることは信じたいのですが、今年のジュンヤワタナベのコンセプト「クラッシュ」は、「これは着て歩けないだろ!!」というデザインで、ここ数か月暇を見てはいいものがないか品定めしているのですが、ピンとくるものに出会えていないのです。
加えて、最近、ちょっときれいな色目の物、きちんと感のあるデザインの物を着たいという欲求が出てきていまして(ピンクを着たがるのは女の老化現象というから、もしかするとそうかもしれない)。
そんなわけで、最近は新たなブランドの発掘をしようと画策しているわけですが、先日、気が向いて立ち寄ったマーガレット(松屋銀座店)が、わりにいい感じだったのです。
まず、シャツのシルエットが変わりました。
一時よりも身幅が狭くなり、1サイズを着ればたぶん私でもだぶつきがない感じになりそう。
パンツの太さも普通な感じ。元々細すぎるピタピタしたものは嫌いなのですが、一時のマーガレットほど太いのもちょっと、と思っていたところです。
毎度おなじみ、エドウィンとのコラボジーンズも生地を柔らかくしてラインも少し変えたようで、履きやすそうな感じです。
妹と母も、電話で話したときに「今シーズンのマーガレットはいい感じみたいだ」なんて言っていました。
そういえば、マーガレットのお店の方、意外にギャルソン好きが多かったのです。
私も、30代のころは、たまに買っていたギャルソンのボトムをマーガレットのジャケットやシャツに合わせてよく着ていました。
もしかすると、両極に見えるこの二つのブランド、案外好相性なのかもしれません。
この春からは、久しぶりにリアルタイムのマーガレットハウエルを取り入れたコーディネートに挑戦するかもしれません。
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