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2013年6月10日月曜日

テリー伊藤は、コメンテータを引退しろ。

「彼のことを悪く言う人はいない。ほんとに、好青年。」

これ、昨日のサンデージャポンでの、元サッカー日本代表の奥大介のDV疑惑報道に関するテリー伊藤がしたコメント(若干不正確)です。

テリー伊藤のコメントは、「その人が好きか嫌いか」「その人と懇意にしているかいないか」などというきわめて個人的な基準で内容が全然違います。自分のコメントが、電波に乗って広いエリアに流れているということが全く意識されていない…というか、もうちょっとはっきり言うと、せんべかじりながらワイドショーに張り付いているおばさんたちのコメントのほうがよほど聞く価値がある…という低レベルさです。

矢口真里の不倫騒動に関するコメントがやたら厳しかったのに対して、知り合い?の奥に対するこのコメント…このバランスの悪さは一体なんなんだ。この人にかけられている疑惑は、脅迫とDV。つまり、犯罪なわけです(なお、未だ捜査の段階で罪人決定みたいな報道をする日本のテレビや新聞は腐っていると個人的に思っていることは一応お伝えしておきますが)。

しかも、この発言、DVの本質を全くわかっていないこと、丸出しなのです。

DVをする男の人の多くは、好青年、優しくおとなしい、物静か、エリート社員。
凶暴・粗暴なんていう人は、ほんのわずかです。
つまり、「まさかこの人が」というのが、DV事件の本質なのです。

「まさかこの人が」という人が妻や恋人に暴力をふるう要因は、様々です。
ストレスのはけ口、人格上、精神上の問題、発育上の問題、などなど。

しかも、DVをする人とされる人がお互いに依存しあう「共依存」という状況(男「こいつがいないと俺はだめだ」、女「私がいてあげないと…殴るほどあの人に愛されている」みたいな世界)もまれではなく、夫のDVを理由に逃げてきた女性が、またその男性を求めて帰ってしまうなんていうこともある。

命からがら逃げてきて、何年も経っているのに、その男の影におびえて、弁護士がついているのに法的な措置に踏み切れない…なんていう深い深いトラウマを、ずーっと引きずっている女性も少なくありません。

DVの世界というのは、人間の裏側、奥底のドロドロ、理性とは別のところにある情念、みたいなものが絡み合った非常にディープなもので、そう軽々と語れるようなものではないのです。

そういうぐちゃぐちゃな世界についてテレビでコメントする以上、DVがそういうぐちゃぐちゃなものなんだという認識を予め持つべきだろう、それがコメンテーターとしての責任というもんだろうと思うのですが…あのテリーのコメントは、全く何も考えていないことが明らか。「知り合いのお兄ちゃんがちょっと妻を殴っちゃったんだよねえ」という非常にのんきなテンションの下で発せられています。

イライラします。
佐伯日菜子だけではない、DVで苦しむすべての女性に失礼だ。

私は、フェミニストではないし、「女性が、女性が」と権利主張するのは、どちらかというと嫌いで、苦手です。

でも、そんな私でも、あのテリーの発言は、かなり許せん。

それは、自分が仕事で、そういうものに苦しめられてきた(今も苦しんでいるであろう)女性たちに会ってきたからなんだろうと思います。
友達の弁護士が、解決の道筋が見えないDV事件を抱えて、体壊すくらい悩んでいるのを見てきたからなんだろうと思います。

テリー伊藤に限らず、コメンテーターの皆さん。

こんなことも勉強する気がないんなら、コメントなんてしないでください。
テレビ局もさ、人選考えてよね。





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