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2014年5月25日日曜日

食いしん坊と器の関係について。

土曜日ですが、土曜日のような気がしない一日でした。

ゴールデンウィーク明けから徐々に忙しくなってきたのですが、本日(もう昨日ですが)は、久々に朝っぱらから仕事でした。
午後3時の打ち合わせが午後5時からになり、自宅に帰ってきたのは、午後7時半過ぎ。

とはいえ。
午前の仕事は12時半くらいには終了したわけで、移動時間を除いても空白の時間が数時間ありました。

私のことです。
落ち着いて事務所で仕事してるわけがありません。

東京ミッドタウンをぶらぶらしていました。

で、4階の「WISE・WISE」というお店で、豆皿を3枚買ってしまいました(買う予定全くなし)。
京都の伯山窯というところのもので、ウサギなど小動物の染め付けがなされているものです。

このお店、和食器や日本の台所道具、お米や茶葉、ひいては竹炭なんかも置いているお店です。
東京ミッドタウンは、商業施設ながら、何か博物館や美術館に来るような楽しみがあり、買い物がなくても時折訪れたくなる場所です。

そして、ミッドタウンに来たら、私は絶対にこの「WISE・WISE」を訪れます。
4階の端っこの、本当に小さなお店です。
でも、この小さなスペースが何とも贅沢で、楽しいのです。

特に私は、このお店で扱っている器が大好きです。
少し高めだけれど、手が届かないほどではない日常使いできる和食器やアジアの食器が、そのときそのときのセレクトで並べられています。

今回買った豆皿は、実は先日サントリー美術館の帰りに見つけていて買おうかどうか、ちょっと迷ったものでした。
今日もう一度目が合って、あ、これは買えってことだな、と観念して買ってきたのです。

このお店では以前にも食器を買ったことがあります。
ベトナムの「バッチャン焼き」という手法で焼かれた小さなカップと受け皿のセットを2つです。

赤と緑で花の模様が小さくあしらわれていて、そのかわいさに心打たれて買ってきたのです。

これ、レンジ禁止なのですが、薄くて軽く、使い勝手がとてもいい。
プチトマトを盛ったり、日本酒を飲んだりするのに大活躍しています。

器に興味を持ちだしたのは、割に最近のことです。
東京に戻ってくる前後くらいでしょうか。
名古屋にいた頃までは、親が一人暮らしのために、とりあえずという感じで適当にそろえたお皿を何の疑問もなく使っていました。

が、あるとき、恵比寿の「FARMER'S TABLE」で大正時代の染め付けの小皿に、突然恋をしてしまって以来、食べ物を盛る「器」というものに目がいくようになったわけです。

その後も、銀座のアンティークショップで、明治時代の小皿を2枚買いました。

私が好きなのは、小皿豆皿の類です。
もともと、いろんなおかずをちょこちょこと摘んでご飯を食べるのが好きなので(単なる酒飲みですが)、小皿豆皿を使う機会が多いのです。

また、土日に家にいるときは、お昼は食べずに、コーヒーやお茶を飲みながらブレイクすることが多いのですが、小菓子をお気に入りの小皿に乗せるのも楽しい。

小皿や豆皿は、私にとって、「さ~て、今日は何を盛ろうかな」と、食べる前にうきうきわくわくできる時間をくれるアイテムだったりするようです。

ところで、器好きと言えば、私が尊敬する向田邦子さんも、器好きで、骨董市をよく覗いていたというのは有名な話です。

大変失礼な話ですが、向田さんも目の玉が飛び出るような高価なものではなく、それなりのお値段はしつつも普通に手が届く類の器がお好きだったとのこと。
おそらく買われた器は、実際に使われていたのではないでしょうか。

この感覚、よくわかるのです。
だって、器を買うときに考えるのは、「この器で食べると楽しいだろうな」ということ。
飾って置いておくために買うわけではありません。

だから、自然、値段もそうそうお高いものにはならないですし、生活シーンに溶け込むデザインのものに目がいくようになるのだと思います。

向田さんも食いしん坊の方だったので、やはり食い意地が張っている私としては、「食べるの優先な人間は、器の選び方も似ているのかもしれない」なんて思うのです。

私の場合、高価な器ばかり好きというわけではありません。
実は半年ほど前に、竹下通りのダイソーで100円の豆皿が妙に気に入って買ってきました。
今は梅干しを乗せたりするのに活躍しています。

が、100円の皿を買ってはっきりわかりました。
いい器とそうでない器の違い。

いい器は、堅く、薄く、軽い。

食いしんぼハヤシは、これからも器に恋をし続けます。

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