2015年7月12日日曜日

サービス三流北海道…悪いか!!!

30度を超えたと聞いて一日引きこもっていたハヤシです。
ですが、32度予想の明日は午後から仕事だったりするんだな…

引きこもっていたとはいえ、相変わらず書面作成に追われており、一通りの家事を終えた後は、PC出して、書き書きの数時間を過ごしておりました

時折リフレッシュにSNSをいじっていたところ、金沢に観光に行った人が、タクシーの運転手や飲食店の店員の態度の悪さを指摘している記事を見つけました。
が、その記事をシェアしている人は、「ガサツな北海道の接客より全然マシ」みたいなコメントをしていました。

ちょいと頭にきました、道民。
なぜか。

確かにね、私も含めて道産子が本州の(もっと言えば京都など古都を気取った地域の人々の)物差しでいうと、ガサツな野生児であることは否定しません。
でもね、接客の態度について文句を言われる筋合いはないと思っています。

金沢には仕事で訪れたことがあります。
正直、何の魅力も感じませんでした。
まあ、街並みなんかについては好き嫌いもあるので、何とも言えませんが、よそから来た人間とそうでない人間のカギわけが敏感で、よそから来た人間に対する態度が本当に不親切で冷たい印象を受けたからです。

寿司屋に入ったとき、お店の人の愛想は非常に良かった。
なぜなら、そこは連れてってくれた地元の人のおなじみの店だったから。
私に頭下げているんじゃなくて、その地元人(のお財布)に頭下げてただけです。

タクシーの運転手はひどかった。

東京とか名古屋とかのタクシーの運転手さんて、女性が一人で乗ると、大概声をかけてくれるのです。夕方から夜にかけて乗ると、なおのこと声をかけてくれます。大きい荷物を持っていたら、出し入れもしてくれます。
警戒心や不安を取り除こうという気持ちがあるからではないかと思うのですが、リラックスした気持ちにさせてくれます。
恰好見れば仕事で来たこともわかるから、黙ってても領収書出してくれるし。

金沢の運転手。
スーツケース持ってくれない。
行先を言っても返事をしない。
催促しないと領収書もくれない。

タクシーの運転手だけじゃない。
駅の人間も駅のレストランの店員も、お土産屋の店員も決して対応なんて、別によくなかったのです。
新幹線通って多少ましになったかと思いましたが、案外そうでもないようで。

そんな金沢と引き合いに出されて、道産子、黙っているわけにはいきません!!!

確かにね。北海道、「サービス三流」と言われてきましたよ。
でもね、そんなに他の地域、サービスいいか?
というか、店員の愛想がいいだけで観光地の格って上がるのか?

私にしてみりゃ、京都なんて観光客相手の店の店員の愛想はいいけれど、バス待ちしてたら乗客は横入りするわ、運転手は行き先聞こうとしても無視するわ、「ザ・日本」のテーマパークであることに胡坐かいて、そこに住む人の横柄さにムカついて仕方ないところです(京都は別に好きじゃない。寺と神社と舞子だけだろ、え?)。

北海道の人間の接客は、正直雑ですよ。
だって、きっと「お客様は神様です」なんて、思ってないもん。
北海道の人間は、はっきりいって、客を客だと思ってないんですよ。
つうか、客って概念が、たぶんない。

目の前にいる人は、みんな「自分と同じ、ここにいる人」になっちゃうのです。

私らのご先祖さん(注:アイヌ民族の方は除きます。彼らにしてみたら、私らのご先祖は侵略者であり、私らはその子孫ですから)は、みんなそれなりのワケをしょって、北の大地にやってきた。
自分も脛に傷持つ身。
他人の傷に触れるようなことはしないたしなみを持っていた。
つまり、その人がそこにいる理由・意味を問わないという癖が身についていて、そのDNAを受け継いできたわけです。

遊びに来た人も元からいる人も、みーんな一緒。
「お客様、お客様、なんでもやってさしあげましょう」ではなくて、「まあなんかあったら言ってちょうだい。お手伝いしますから」というスタンスを常に他人に持っているわけです。

奈良生まれ奈良育ちの私の知人の研究者のエピソード。
とある調査のために、道東のとある町に赴き、長期間民宿に泊まることになりました。

荷物を置いてすぐに出かけなければいけないスケジュールだったところ、民宿のおじさんは、一言こう言いました。
「置いとけ(語尾上げる)。上げといてやる(語尾上げる)。」
*語尾をあげるのが北海道のイントネーション。

この言い方を聞いて、奈良人の彼は「なんだ~、その言い方は!!お客様、よろしければワタクシがお部屋に入れておいて差し上げましょう、じゃないのか?」と頭に来たらしいのです(注:道東の田舎のおっさんがそんな言葉遣いできるわけないんですが)。

が、しかし、彼は滞在しているうちに気が付いたのです。おじさんの言葉が、なんてフレンドリーな気持ちにあふれている素敵なものであるかということに!!!

この話を聞いたとき、ハヤシは、「なんでそんなめんどくさい言い方しなきゃいけないの」とか思っちゃいまして、「ああ、そうか。自分、まさに道産子なんだわ」と気づきました。

がさつであることや雑であることと、ホスピタリティーがあること、対応に心がこもっていることは、全く別な問題だと思っています。
北海道は人気の観光地ですが、雄大な自然だけで人呼んでるわけじゃない。
自慢じゃないけど、ちょっと恥ずかしがりやで優しい北海道人の心意気が、雑でガサツな接客ににじみ出ていると思うのです。
その親切過ぎない対応に心地よさを感じてくれる人が新しいお客を呼んできているのだと思うのです。

ちなみに、仕事や観光でいろんなところに行きましたが、ハヤシ的に最高だったのは、奈良でした。
東大寺の大仏さんが大好きというのもありますが、だだっ広い芝生の上でシカが好き放題歩いている自由さがいいし、そういう自由さが町の人の気質にも出ているなあと思います(ま、実際いろいろ被害が出ているようですが)。

タクシーの運転手さんも楽しい人ばかりだったし、飛び込みで入った商店街の飲み屋さん(まあ、お客は地元の人ばかりだろうな)も、ごくごく自然に扱ってくれました。
地元の人に道を聞いても、気張らず普通に答えてくれました。

やっぱり、人を呼ぶのは人、なんだよね。





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