独立準備のために新事務所のマンションに来ているハヤシです。
本日、プリンターと電話機が届く予定で待機しております・・・
このあと中野の島忠に行く予定なので、クロネコさん、でるだけ早く来ておくれ・・・(とか言っている間に来てくださいました、ありがとう)。
さて、先日、以前の職場の同期女子3人と銀座のルブランでランチをしました。
内訳は、30代前半既婚子持ち(ご主人は長身の爽やかメガネ男子)、30代後半未婚(彼氏いない歴イコール年齢?)、四十路独身のハヤシ。
実は恥ずかしながら、今回の独立に当たり、父が援助をしてくれました。
まあ、母親から父が何か考えているみたいだという事前情報は得ていたので、執務用のテーブルなんかを買ってくれるつもりなのかなとは思っていたのですが・・・
夏に帰省したときに、なんか札束どばんくらいな勢いでのし袋入りの開業祝いをもらい、ビビって帰ってきました。
食事会でその話をしたところ、もうひとりの未婚が「うちの父親は、私が独立するときには1000万円出してやる。嫁に行くときのために貯めといたけど、そっちはもういらないからと言ってるよ~。」(ちなみに彼女は、まだ決して結婚をあきらめているわけではない)。
うちの父は、娘にそういうことを直接言う人ではないのですが、母からそれ用に貯めといたものの一部らしいという話は聞いておりました。
決して自慢話ではありません。
もちろん、そう儲かっていない身であるため、開業資金をどう節約するか頭を悩ませていたわけですから、こののし袋が現実的に非常にありがたい代物であったことは否定しません。
しかし、スポンサーちゅうのは怖いものなのです。
当然、金を出す人は口も出す、干渉したがる・・・
それを煙たいと思う娘。しかし、煙たいとは思うものの、完全に切ってしまうこともできない。
なんせ、今この時点でこういう親というのは、子供の頃から、そりゃもうかわいがってくれた親なわけで、つまり世界で一番自分を肯定してくれていた人なのです。そういう存在を、切ってしまうということは、自分の唯一といってもいいアイデンティテイをなくすことになりかねんのです。
うちのお父ちゃんは、事務所のことに関しては、こうしろああしろとうるさいことは言いません(法律事務所のルールなんかがわからんというのもあるんでしょうが)。
ただ、自分のこだわりについては、やんわりと、しかしながらとても強く、履行するよう求めてくるわけです。
その代表例がテーブル。
ハヤシは、ひとりで事務員もおかずに独立する予定で、そのため、打合用の応接セットは買わず、おおきなダイニングテーブルを買って執務用兼打合用にしてしまおうと思っていました。
上にはパソコン置いたり電話置いたり、記録置いたりなどなど激しく使うため、高価なものはいらんな、IKEAか、そうでなくてもせいぜい5、6万円くらいの・・・と考えていました。
が、父は「初めて買う仕事用の机なんだから、いいものを買った方がいい」と、呪文のように、帰省した私の耳元でささやくのです(そのために、のし袋をくれたようなところもある)。
で、まあ、結局そこそこいいものをご購入と・・・
ワンポイントでこの程度ならかわいいもんです。
笑ってくれてかまいませんが、私、未だに、夜に帰宅したら、その報告を実家にすることを義務づけられております。
そして、うちのお父ちゃんは、私の報告が夜11時30分を過ぎてもないと、寝ていたはずなのにやおら起き出し、熊のごとく家の中をうろうろし始めるのだとか。
「あんたたち、よく寝ていられるな」
「事故にでも遭ったんじゃないのか」
「メールしてみろ」(自分でしろよ!!)
などと、騒ぎだし、母も妹も大迷惑。
東京の夜の11時30分なんて、まだ、ラッシュさながらの時間帯と思っていただいていい状態。
しかも、私は23区内に住んでおり、真夜中過ぎても自宅の周囲にはそこそこの人通りがある。
そんななか、ひとり大騒ぎするお父ちゃん。
ふとスマホを見ると、安眠を妨害された母と妹からのメール着信が嵐のように来まくっている。
「お姉ちゃん、いまどこですか。パパがうるさいのでメールをください。」
「お姉ちゃん、我が家の平和のためにメールくれ!!」
と切実な訴えが書かれている。
最近は、帰宅していないときは途中経過を書いたメールを送ったり、めんどくさくて帰ったことにしたメールを送ったりと、余裕があるときにはある程度の知恵を働かせて対応しているのですが、本当にどうしようもない状態でメールができない時は、我が父ちゃんは、ヨワイ45にもなる娘に、まるで独り立ちして間もない未成年の女の子が羽目外してどうしようもなくなっているような反応になってしまうという・・・
しかし、これ、特別なことではないようでして。
冒頭に登場したもうひとりの未婚女子も毎日の帰宅の報告は義務づけられているとのこと。
しかも・・・親が泊まりに来たときにみんなで気持ちよく寝られるようにするために広い部屋を借りてくれ・・・ということで、家賃補助まで出ている状況。
目くそ鼻くそだとは思うのですが、うちのお父ちゃんの方が、まだましだよなあ・・・などとしみじみ思う・・・
(ま、彼女、一人娘だしねえ・・・)
一方、お母ちゃんはというと、たぶん私は彼女にとって、いまだ一心同体のような思いがあって、真の私という人間ではなく、母にとって「この子はこうであるはず」という思いこみや理想の娘像を私の人格と思い込んでいる節があり、それはそれで、たまにどうしようもなくうざったくなるときがあるのです。
一時期「アダルトチルドレン」なんぞという言葉がはやりましたが、母との関係は、微妙で御しがたいもので、お父ちゃんみたいに笑い飛ばせないところもある分、やっかいといえばやっかいなのです。
とはいえ、これ、しかたない現象なんではないかと、最近達観しつつあります。
小さい頃から成績が良くて、いい子ねいい子ねとほめられて育ち、こっちもほめられると嬉しいもんだから、もっとほめられようと不良もせず、羽目を外しても、親の顔色が変わらない程度にとどめて生きてきた。
で、自立できる最大のイベント「結婚」もこなさずに長いこと来てしまったわけなのですから、娘が「違う価値観に染まる」という覚悟を親ができないまま過ごしてしまったのも無理からぬ話です。
ハヤシの場合、妹もまたヨワイ40にして独女、しかも自宅住まいというゴクツブシ人生を歩んでいるわけですが、彼女の場合、私ほど勉強のできがよくなく、しかもプータローとして生きていた時期も結構長かったので、親の方は程良く期待していない。
私とか、もひとりの未婚とかのように、長女ないし一人っ子で、親のピッカピカな期待を一身に背負い、しかもそれを裏切らずにウン十年も生きてきてしまったそのバチみたいなもんが、今当てられると思うより、これはもう、しょうがないのです。
というわけで、ハヤシの場合、電話一本で日常の平穏をある程度手に入れられるならお安いご用とばかりに「帰宅しました」という報告を軍隊みたいに行っているわけですが、もひとりの未婚は、未だ不平不満を漏らしています。若いねえ。
ハヤシの親も70を越えています。なんだかんだいって、元気に心配してもらっているうちがハナだよな、なんて思うことにしているのであります。
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