グランプリファイナル、終わりました…
もうね、羽生ちゃんのアホみたいな高得点は、鼻くそホジホジしながらのへーな感じでしかないです…特にコメントなし。フリー見てないしさ。
男子でいうと、中国のきんちゃんがフリーで4回の4回転ジャンプをやってのけたのに順位を落とすという、それこそ懐かしのチェンジャンリーばりの逆離れ技をやってくれたのが、まずは良かったかなあと。
4回の4回転ジャンプは本当にすごい。
ただ、心配なのは、金ちゃんがまだ子供体型だということです。
女子だけでなく男子も成長に伴う体型変化、体格変化というのがあるので、体のバランスが変わると、あんなに軽々と飛べるのか、はとても気になります。
そして、いやあ、いやあ、もうもう宇野くんのトゥーランドットは、素晴らしいの一言しかない。
本当にこの人、昨年までジュニアだったのか?という演技力、表現力、そして安定した技術。
感心するのは、目力と場面場面での緩急のメリハリです。
表現や演技ってこういうことを言うのだと思うのです。
空気感、リズムを変える、一瞬時を止めてみる。
それが齢17歳でできるって、本当に稀有なスケーターだと思うのです(そういう意味で、羽生くんの表現力評価には大いに疑問がある。彼はこういう緩急はつけられない)。
氷上のマエケンこと村上大介くんはフリーではミスが目立って残念だったけど、彼にとって一番大切だったのは、ファイナルの舞台に立てたこと、だったと思うので、まあ、お疲れ様と言いたい。
ところで、女子です。
タイトルにも上げましたが、なぜか、私はロシアのメドベデワを見て、クリスティー山口を思い出したのです。
覚えている人、いるでしょうか。クリスティー山口。
アルベールビルオリンピックで、伊藤みどりと金メダルを争い、見事チャンピオンになった彼女。
まあ、この試合自体は、伊藤みどりはショートで転倒し、フリーでは後半にトリプルアクセルを決めるという偉業をやってのけたけど、やはり転倒というミスを犯しているので、この結果自体はしかたないのですが。
昨今の女子フィギュアは、男子ほどではないにしろやはり技術革新の波が来ていています。
女子の場合、如何に高難度の連続ジャンプを跳ぶかがしょうてんになっているのですが、今や、トリプルルッツ、トリプルトゥループを跳べる選手なんて割に結構いて、特にロシアン女子は、ラジオノワちゃんとかリプニツカヤちゃんとか、体格変わる前は当たり前に飛んでいました。
ゴールドも飛べます。実は宮原知子ちゃんも跳べる。
今最高峰に難しい連続ジャンプのトリプルルッツ、トリプルループは、ソチの頃のソトニコワが飛んでるとこしか見た記憶がありませんが、おそらく練習レベルでは跳べる人は結構いるのではないかと。
真央ちゃんは、ファーストジャンプをルッツより一つ下のフリップにして2本目をループにする連続ジャンプを一応持っています。
現在の技術レベルでいうと3番目のレベル。
見たところ、メドベデワが跳べる一番難しいジャンプは、トリプルフリップ、トリプルトゥループの組合せなんだな。更に下。
いや、これだって十分難しいジャンプであることは間違いないんですが、世界のトップ10位の選手になると、あまりに上3つを跳べる人が多くなってきているので、跳べても、あんまり凄い感がないんですよね…
ところが、今回のファイナルでは、ショートもフリーもかなりな高得点を出した。トータルで220点越え。
まあ、ジャンプを点が高くなる後半に固めたり、片手を上げて飛んだりと小技を駆使して細かく稼いだ結果ではあるのですが、特に高難度な技を駆使していないにもかかわらず、高い結果を出すというのが、天性のジャンパー伊藤みどりを倒してオリンピックチャンピオンになったクリスティー山口を彷彿とさせるなあと思うのであります。
実は、オリンピックという場面でこういう高い結果を出すのは、歴史的に彼女みたいなタイプの選手だったわけです、女子の場合。
例えば、トリノのチャンピオン、荒川静香。
サーシャコーエンやスルツカヤがトリプルトリプルの連続ジャンプが飛べたにもかかわらず、彼女はそれができなかった。本番でも当然チャレンジしなかった。
しかし、そんななか、新採点方式が採用されて間もない頃のトリノで、当時としては高得点の180点台を出して優勝したわけです。
コーエンもスルツカヤもフリーで高難度のジャンプを飛ぼうとして転倒しましたからね。
殴打事件で有名になったナンシーケリガンもそう(そういえば、ハーディングってどうしてるんだろう)、古くは3回転ジャンプがほとんど飛べなかったカタリーナビット、などなど。
まあ、ビットの化け物級の演技力は置いておくとして、それ以外の選手にしても評価されているほど演技力、表現力ってあるのか?という疑問が湧くところであり、結構のんべんだらりな見てる方にしてみりゃつまらんスケートが繰り広げられていることも少なくないわけなんです。
なんですか、メドベデワっちゅう子も表現力が評価されている選手らしいけど、そのスケートは山もなく谷もなく、まさにのんべんだらり系。
うちのオカンなんか、いきなり土曜日の夜
メドベデワって子のスケート、おもしろくない
などというメールをあっしに送ってきたぐらいにして。
しかしね、こういう、特段高い技術は持っていないんだが、その技術は常に安定しており、したがって小技は効かせられまんねんというタイプの選手は、本番での取りこぼしが少ないのは、その通りなんであります。
大技は失敗するリスクもあるので、オリンピックなんかの極度の緊張状態の試合の際には、成功の確率が落ちる。そんななかで、トンビが油揚かっさらっていくように、ぽろっとメダルをゲットできる、そいうポジションにいるわけです。
まさにクリスティー山口がそうだった。
そんなわけで、最近わんさと出てきたロシアン女子のなかで、このメドベデワっちゅう子は、ある意味本格派というか本当の意味で強そうというか、なんかそんな気がしてたまらんのです。
ただ、さっきのきんちゃんのときもそうなんだけど、なんだかこの子異様にガリガリで子供体型なんで、これから体型が変わった時にどうなるかなあというのが唯一不確定要素だったりするわけなんですが、まだ16だしね。
で、ここまで書いて気がついたんだけど、宮原知子ちゃんも実のところ類するとクリスティー山口よりなのかもしれませんな。
彼女の場合、もっと職人ぽくて、小技効かせるというよりは、ひとつひとつの技の正確性で点数稼いでいるタイプですが。
もっとジャンプが高く遠くに跳べるようになれば、加点も伸びるだろうし、そうすると選手としてこれ以上ないくらいの最強さを身につけることになるかもしれません。
案外、平昌の金メダルは、彼女だったりして…
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