2019年11月24日日曜日

2019NHK杯総括:紀平さんは戦える!!

NHK杯が終わりました。


まあ、男子の方は羽生ちゃんが期待通りの滑り(若干のミスはありましたが)を披露して、ぶっちぎって優勝したので、日本人としては満足この上ないことでしょう。


しかし、女子・・・紀平さんが、ロシア女子の三大兵器?のひとりコストルナヤに負けてしまい、「紀平でもロシアン女子に勝てないのか」という失望感が募ったのではないでしょうか、多くの日本人にとって。


コストルナヤは、シェルバコワやトゥルソワと違って4回転は飛べませんが、トリプルアクセルは飛べる上、齢16歳のシニア1年目にして、演技構成の点でもジュニア臭さのない完成度の高い演技ができる子で、「総合力ではコストルナヤが一番高い」と言われておりました。
フリーでは、2本めのトリプルアクセルでミスしたにも関わらず、ミスらしいミスがなかった紀平さんより高い点を叩き出し優勝してしまったことで、失望感を大きくした人もいたのではないかと。


しかし、NHK杯の戦いに関して言えば、紀平さんは足の怪我のために、高得点ジャンプのトリプルルッツを飛ばない構成にしたというのが非常に影響が大きかったといえます。


どういう怪我なのかはわかりませんが、おそらくはルッツを飛ぶのに痛みが出たり、うまくエッジを倒せないという問題があったのだと思います。
そのため、ルッツを飛ばず、通常ルッツで構成しているところを、ループに買えざるを得なかった。
その結果、全体のジャンプ構成にも影響が出た。
個人的には3連続ジャンプの構成を、ダブルアクセル→ダブルトゥループ→ダブルループにすることとなり、そのため3回転2つ入れた3連続ジャンプを飛ぶコストルナヤとの間に技術点の差が出た、と思うのであります。


ということはどういうことかというと、足の怪我が治り、本来のルッツを入れた構成に戻せば、コストルナヤに関しては互角に渡り合えるということなのであります。


加えて、紀平さん、現在4回転サルコー習得中。
今回のフリーでは、4回転サルコーを将来的に入れることを見越した構成でジャンプを組んでいて、それも十分に行けそうだという手応えがありました。


これが本当に入るようになると、シェルバコワやトゥルソワとも互角に渡り合えると言えると思うのです。



もちろん、ルール改正をされてしまえば元も子もありませんが、少なくとも今もルールでは、女子はショートでは4回転を飛べません。
このルール、4回転は飛べるけれどトリプルアクセルは飛べないシェルバコワとトゥルソワには、紀平さんとの関係で言うと若干不利。なぜかというと、ショートプログラムで稼げる点数が頭打ちにならざるをえないからです。


女子選手で、トリプルアクセルと4回転を跳べる選手は今までいなかったわけで、紀平さんがこれをこなせるようになると、ショートでトリプルアクセルを飛んで高得点を稼ぎ、さらにフリーでは、これに4回転を加えて高得点を上乗せできるようになるわけですから、フリーで得点爆上げするふたりでも追いつかなくなるかもしれないな・・・と思うのですよね・・・

個人的には、紀平さん、グランプリファイナルで表彰台に乗るために4回転を入れてくる可能性があるかなと思っているのですが・・・


私は、フィギュアスケートは総合芸術ではあるけれど、やはりスポーツではあるので技術的な進歩は非常に重要だと思っています。
特に女子フィギュアの場合、つい数年前までは「美しく滑ること」が最終的には求められる傾向が強く、そのために強く美しかった真央ちゃんは、あるいみジャッジから冷遇されてきたところもありました。


そういう意味で、女子4回転時代は非常に喜ぶべきものではあるのですが、なんていうかねえ、ジャンプばかりうまく飛べても演技にときめかんのだよなあ・・・
特に最近のロシアスケートって、男子のアリエフやサマリンもだけど、「ジャンプ飛べてなんぼ」という「高得点ジャンプで逃げ切り作戦」が目に余って、技術的にはすごいんだけど、心に残る演技がないんですよね・・・




どうせ、4回転を飛ぶんであれば、ネイサンみたいに「踊り」「演じる」の部分も極めてほしい。やはり、その部分がないと、「名演」というのは残らないと思うのですよね・・・


なお、紀平さんのプログラムって、去年も今年もかなり個性的で、実はジャッジ受けという点では評価が別れるのかな、なんて思うのですが、今年のショートプログラムは紀平さんを代表するプログラムになる面白いものだと思います。


早くもシーズンは後半戦にもうすぐ突入。
紀平さんが4回転を組み込んでくれば、女子フィギュアの勢力図は、またちょっと変わるかな、と思うのであります。


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