2014年12月29日月曜日

茫然自失。引退したのはマッチーだった…

タイトル通りです。
宮原知子ちゃん優勝の感動が吹っ飛んで行ってしまうくらいの衝撃でした(今日の演技は、ノーミスの最高レベルの演技でした)。

あまりにも突然。
そして、なんという変な時季!!!
世界選手権出てから引退でもいいだろ~、まっちー(町田君)!!!

多くの人が知っていると思いますが、町田樹くんは、全日本フィギュアの後、世界選手権のメンバーに選出され、その発表時に全日本限りでの引退と世界選手権出場辞退を、発表したのです…

なんでも4月から早稲田の大学院に行くそうで、ひそかに入試を受けていたんだとか。
で、スケートアメリカのショートプログラムの日に合格発表。
選手引退後の「セカンドキャリア」の形成に彼はどうも悩んでいたそうで、で、研究者の道を志すことを心に決めたんだそうです。

どうもまだ関大の学生のようなので、年齢から考えて留年あるいは休学をして卒業を来年3月にずらしたのだと思われます。オリンピックと卒業がかぶるので、そうしたんでしょう。
そして、その間、自分の今後を考えていたのでしょう。

28日の朝に決めた、とマッチーは言っていましたが、それは最終決断をしたのが28日の朝だったということであって、「今シーズンで幕引き」ということは、シーズン当初から胸の内にあったんじゃないのかな、と思わずにはいられません。しかも、年末のこの全日本で幕引きということが頭にあったんじゃないのかと。

だって、そうじゃないと、第九なんて選ばないでしょう。
オリンピックの翌年に、あんなにきつくて、「これでオリンピック戦ってもおかしくない」なんてプログラム、出してこないでしょう。
「今年、日本の皆さんにプログラムを見せられるのは全日本だけ」なんて、やたら全日本を意識した発言。
ショートが終わった後の涙、リンクへの一礼。
グダグダだったにもかかわらず、フリーで「悔いはない」と言い切ったこと。

今にして思えば、町田樹くんという人は、シーズン初めから、12月下旬の幕引きまでを、着々と、そして丁寧に丁寧に進んできたとしか考えられません。

ただ、心の中でひそかに思っていただけだったので、私たちから見ればあまりに突然だったという、それだけのことなのです、きっと。

ハヤシは、寂しくて寂しくて、なりません。
ピュアで、抒情的で激しくて、美しい、ため息が出るようなマッチーのプログラムをもう競技の世界で見れないなんて(アイスショーにはたまに出るらしい)。
しかも、突然、幕が切られたわけですから。この戸惑い、しばらく続いてしまいそうです。

何かともてはやされている羽生君の演技ですが、ハヤシは、正直好きになれません。
彼の演技には、「こうすれば受ける」「点が取れる」というさもしさがあふれているから。
マッチーの演技には、大輔の演技と同様、「自分の世界を表現すればそれでいい。点数は後からついてくる」という潔さ、自分の世界に向き合う真摯さを感じます。
大輔引退後、町田くんががんばってくれることによって、そういう潔さをもうしばらく見られると思っていたのに…

しかし。
引退発表後、プレス向けに彼が読み上げた原稿をネットで見たのですが、そこには、「自分はどうやって生きていこう」と悩み苦しんできた町田君の姿がにじみ出ていて、私は、正直なところ、とても共感しました。

スケート選手と言えば、コーチになるか、振付師になるか、バイトしながらショーで滑るスケーターになるかという選択肢しか、ほとんどない。
町田君ほどの選手になれば、プロとしてショーに出る傍ら、コーチや振付師で、引退後はそこそこ稼ぐことができたはずです。

しかし、彼は、それを良しとしなかった。そういう既定路線に乗ることができず、結局乗らなかった。そして、「研究者」という道にたどり着いたわけです。

そういう不器用さ、単純にすごく好きです。
多くの人にとって、共感できる部分じゃないのかなと思います。
今の自分に疑問を持つ。この先の自分はどうあるべきなのか、どうありたいのか。
世間から見て成功者だろうが何だろうが、そんなことは関係ないのです。

町田樹という男子は、一見ナルシストで不思議な男の子ですが、その実は、とてもナイーブで不器用で、一生懸命生きている尊敬に値すべき男性だったわけです。

フィギュアスケートは、その人の生きざまのすべてがでるスポーツと言われています。
あのもがき苦しむ第九は、まさにマッチーの人生そのもの、のプログラムのような気がします。
そして、それを今シーズン選んだというあたりに、やっぱりマッチーはシーズン当初から今シーズンでの幕引きを考えていたんじゃないかと思わせます。

うーん、寂しいなあ、ショックだなあ。
でも、ハヤシは、ほんの短い間だったけど、今までの日本男子が決して見せてくれなかったオンリーワンのプログラムを踊ってくれたあなたを一生忘れません。
いつの日か素敵な研究者になって、再び私たちの目の前に現れてほしい。そう思います。

ただ…
世界選手権の枠取りは、非常に心配です。
羽生・無良・小塚の3人で、3枠キープできるのかな…
女子はおそらく2枠に減らすだろう、男子は大丈夫と思っていただけに…
計算が違ったよ…

しばらくは、ユーチューブで、マッチーの第九を堪能して、心の穴を埋めることにいたします…

年内の更新はこれで最後になりそうです。
気づけば、始めてから3回目のお正月です。
今年もずいぶん独り言ちました。
来年もどしどし独り言ちます。
みなさん、良いお年を。


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