2016年1月24日日曜日

藤沢周平にはまる四十路。

寒いですなあ…
なんですか、沖縄でも雪だかみぞれだか降ったそうで、なんとお気の毒な、と思っているところであります。沖縄の人、雪を想定した服装なんて、持ってないですよね、きっと…

寒いからというわけでもないんですが、ハヤシの方は珍しく2日間とも外出する気が起きず、近所に食料の調達に行ったり、仕事の関係でセブンイレブンのネットプリント使いに行ったりしたほかは、引きこもりを決め込んでいます。

元々本好きというか活字好きの人間だったハヤシですが、弁護士になってから、腰を据えて読書するという機会がかなり減りました。

映画でも小説でもテレビドラマでも、割にその余韻を引きずるタイプのハヤシは、隙間時間に気軽に読書なんてことがあんまりできず、また仕事に関しては、四六時中頭の中にこびりつかせてしまうタイプ(だから、ストレスで時に体調が崩れる)。

さらに、仕事で扱っている案件の中には「え~、まじかよ」と言いたくなるようなアンビリーバボーなものも含まれており、まさに「事実は小説よりも奇なり」状態。
そんじょそこらの小説なんぞでは、まあつまらんのです。
人間刺激の強いものに触れ続けると感覚がマヒするというのは、どうも本当のようです。

まあ、それでも本屋をうろつくのは好きですし、たまにぽつぽつと本を買うこともあります(半分は積読)。
2週間ほど前にも、職場と自宅の間にある本屋に仕事帰りに立ち寄って、目についた本を三冊買ってきました(買いたいという購買意欲を掻き立てられる本に出会えたのも本当に久しぶりだった)。
買ってきた本は、又吉直樹、椎名誠、藤沢周平とバラバラ。これが珍しく、いずれもヒット。

手始めに椎名誠。こちらは読了しました。で、今、藤沢周平を読んでいます(ちなみに又吉は「火花」ではありません。書評集です。隙間隙間に読んでますが、なかなかウィットが利いていて面白いです)。

買ってきたのは、「三屋清左衛門残日録」。退職した侍の日常を描いた連作もので、かつてNHKでドラマ化されていました。清左衛門様を仲代達也が、長男の嫁の里江(この二人がいいコンビ)を南果歩が演じていて、毎週欠かさず観ておりました。

本屋で見つけて、あ、あれだと、思わず手に取ってぱらぱらめくりました。
実はこれが藤沢周平初体験。
で、なんというか日本語の読みやすさにぐっと心惹かれて思わず購入したわけです。

時代小説は非常に苦手なジャンルです。
設定が想像できないことが多くて。
言葉も舌をかみそうなものが多いし。
そういうところが気になって話の中に入り込めない。

しかし、藤沢周平って、時代小説でも日本語が平易だし、感情でも情景でも、言葉の手数をかけずに手に取るように浮かんでくる言葉で描写していて、なにより堅苦しさがないのです。
ドラマを観ていたというアドバンテージはあるのかもしれませんが、それを差っ引いたとしても、優れた日本語の使い手だなあと感服しきり、です。

過去、読んだ瞬間に頭を殴られるような衝撃を受けたのは向田邦子だけだったのでした(その時私は14歳)。
その時の衝撃とはまるで違い、今回の藤沢周平との出会いは、すーっと体の中にストリーが入ってきて感じた「さわやかな凄さ」というか、「わー、すごいすごい」と思いながらも読み続けてしまう、そんな衝撃でした。

清左衛門様のお話の後は、後日買ってきた椎名誠の私小説を読むことになりますが(又吉書評は、あくまでチョコチョコ読み用)、その後は、おそらく藤沢周平をしばらくリピートしそうです。

最近、芥川賞や直木賞をとる作家もなんだか小粒だし、この本が面白いと言われて本屋さんで手にとっても、ときめきを感じないことがホントにホントに長く続いていました(こんまりか、あたしゃ)。

まさか、藤沢周平にときめきが隠されていたとは!!
ハヤシという人間がそもそも昭和なのか。
それとも単にばあさま化が進んでいるのか。

とにかく、当分、気分転換の中心は読書になりそうです。
さて、この後も、夜はたぶん藤沢周平…(遅読なので、かなり長く引っ張りそう、この本…)

0 件のコメント:

コメントを投稿