2016年11月28日月曜日

NHK杯雑感~特にボゴリラヤとネイサンについて

グランプリシリーズ最終戦、NHK杯が終わりました。
結局大羽生ちゃんマンセー祭りで終わるんだろ…と、始まる前はやや冷めた気持ちがありましたが、終わってみると結構楽しめる大会でした。

最近女子の方は、あまり面白みがないなあと思っていました。
ロシア一極集中かつロシアンガール軍団の個性のなさが、女子スケート界をつまらなくさせていると思っていたからです。
ですが、今回のポゴリラヤの演技は、なんだか感動したなあ。
演技だけではなくて、ショートが終わった後の、感極まったような深々としたあのお辞儀にも、ウルウル来たのです、私。

あれは何だったんだろう。
いい演技ができたこと、それを観客が後押ししたことを実感できたこと…そういうことに対するお辞儀だったんだろうか。
あれを見て、すっかり感動してしまいました。
その感動を引きずったままフリープログラムを見て、ああ、この人はとってもエレガントで美しい姿、美しい演技の人なんだなあと、一気に心惹かれていきました。

コストナーが引っ込んでしまった後(来季出てくるらしいけどね。別に引退ではないですから)、コストナー的な別次元の芸術的演技ができる女子スケーターって、いませんでした。
ポゴリラヤは、そこまで昇りつめて行くことができる可能性を持っているような気がする。

こういうことを言うと身も蓋もないかもしれませんが、やっぱり姿のいい人は(決して美人とかそういう意味で言っているわけではない)、いいねえ。

さて、男子ですが、戦績はともかく、非常に面白みのある選手が続々出てきているなあと実感しました。
特にあのラドビアの子。今年ジュニアから上がってきたそうで、まだトリプルアクセルもおぼつかない感じですが、いやもう、振り付けやステップワークの美しいこと。
また、顔が小さいわ、足は長いわで姿もいい。まだ垢にまみれてない純朴さも、すがすがしい。
さすが、コーチがらんびえーるだけあるこの子。
何度が高いジャンプが飛べるようになれば、怖い選手だなと思いました。

で、ネイサン・チェンです。
ルッツにフリップにトゥループに、と4回転をかなりたくさんプログラムに盛り込むことで注目の彼は、なんとなく始まる前は、金ちゃんと同じ「踊れないジャンプだけが取り柄の子」なのかな、と思っていました。
ですが、信成君の解説によれば、ジュニア時代はジャンプが苦手で、むしろ表現力で売っていたらしい。
その解説通り、彼はもうめっちゃくちゃ、ちゃんと美しく踊れるフィギュアスケーターとしては完成度が結構高い若手さんだったりします。

そう、いつまで経っても、艶感やめりはり、空気をはらんだような「間」を出せない、自分大好きな羽生ちゃんとは全然違うのです。
手を前に出すときのシナの作り方、背中のラインの美しい見せ方。
バレエの基礎をきちんとやっているのは明らかな「踊ること」を基本とするフィギュアというものが体に染みついているのです、ネイサンは。

この子、怖いよ。
ジャンプが安定すれば、難しいジャンプは飛べるわ、踊れるわで向かうところ敵なし、になりそう。

個人的には、「そこそこ高難度ジャンプも飛べて、演技もいけてる」という路線に向かえばよいのかなと思います。4回転を飛ぶ本数は、もっと少なくしていいんではないかと。
そうしたほうが、転倒や回転不足のリスクが減る分、むしろスコアが伸びると思うんだよなあ。

おそらく今年ここまでのことをやっているのは、オリンピック前年の「試し」みたいな部分とトリプルアクセルが苦手というところに負う部分が大きいのではないかと。
トリプルアクセルを克服できれば、後半にトリプルアクセルのコンビネーションを入れたりすることもできるから負担減らせるよねえ。

男子は、新しいできる選手がたくさん出てきて群雄割拠というか、ひとつひとつの大会のガチンコ感が非常に高い気がします。
現場ってどんな雰囲気なんだろ。すごい緊張感なんだろな。
来シーズンのピョンチャンへの期待が、ものすんごい高まります。

あ、ちなみにネイサンは、誰かさんみたいににやけ臭くなくて、びしっとした感じの面構えが個人的には結構好きです。

そういえば、さっきも書いた通りラトビアの選手のコーチがランビエールで、テレビでは久々にお姿を拝見しました(あ。今年はBSでやってたランビエール主催のアイスショーを見たな、そういえば)。
見目麗しいお姿が現役時代と全く変わらないのはもちろんですが、トレンチとマフラーという私服姿がシンプルではあるものの非常に洗練されていて、もう見とれてしまいました。

それと、大輔のブルースとか振付けてたカメレンゴさんも、久々に拝見しました。
確かアメリカのアイスダンスのカップルの隣でキス&クライに座っていた。
カメレンゴさんも、オジサマ好きのハヤシにはたまらん渋さでしたわ~…って調べたらまだ50歳なんだよね、この人。ワタシとたいして歳が変わらん…

と、なんだかんだいいつつ、楽しんだNHK杯。
次は、2週後のGPファイナルです。

勝手にファイナルの順位予想をすると(希望も含まれてるか?)

女子

1位ポゴリラヤ
2位宮原知子
3位メドベデワ

と思う。メドちゃんも転倒したり回転不足取られたり、今年は盤石じゃない。案外、ここで一度崩れるかもしらん。

男子

1位チャン
2位宇野くん
3位羽生ちゃん

だといいな。いや、男子は難しいです。はっきりしているのは、リッポンの表彰台はない、ということくらいか。
フェルナンデスはむらっけがあるから案外ここで取りこぼしがある気もするし、羽生ちゃんは気負いすぎて失敗する気がする。4回転ループ、飛べる飛べるとか言ってるけど、宇野君のフリップの安定感に比べたら、まだまだだと思うし。
また、プログラム的にも、宇野君の方がヨーロッパ人受けすると思うしねえ。
ネイサンが食い込んでくる可能性も十分あり!!

ああ、もう2週間仕事に手が付きそうにないんですが、ワタシ…

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