2017年1月15日日曜日

アボットと柴田嶺くんにぐっときた:スターズオンアイス観覧記

昨日は、横浜アリーナにスターズオンアイスを観に行きました。

フィギュアが好き好きとか言ってる割に、生フィギュアを見たのは過去1回だけ。以前にもこのブログで触れたことがありますが、トリノシーズンに帯広でやっていたインカレを観に行っのです(その時は織田信成が目当てでした)。
アイスショーを見るのは初めてでした。

なんというか、宇野昌磨君の演技に魅せられている今日この頃、生昌磨を観てこようかと、まずは手近なところで、横浜アリーナで行われたスターズオンアイスに出向いて行ったのです。

横浜のスターズオンアイスは13日から本日15日までの3日間開催。
昨日14日は、夜の部がありました(ハヤシが見たのは昼の方)。昼の部の方は、ジュニア選手もでておりましたが、夜の方はシニアの方々だけだったようです。

さて、スターズオンアイスは、出演者が五月雨式に決まっていくという特徴があります。
ハヤシは昨年の全日本選手権終了直後の第4弾出演者発表までしか押さえておりませんでした。
が、その後も出演者がポロポロと決まっていったようでした。

知らなかったのですが、アメリカのジェレミー・アボットが出演したのです。
そう、アボット。
極めて高いスケーティングスキルと表現力を持ちながら、ジャンプが安定せず、大一番で力を発揮できなかったあの人。
グランプリファイナルで金メダルを取ったことはありますが、大きなタイトルとはほとんど縁がない悲しい実力者、です。

アボットは、スケートに対するひたむきな姿勢が画面を通してもひしひしと伝わってきて、割と好きな選手でした。
どうやら引退はまだしていないようですが、ここ2シーズンばかりは見ていなかったので、さてどうしたのか、と思っていたところ、リンク上の電光掲示板にアボットの名前を発見したのです。

最初は、ジェフリー・バトルらとともに短いスケーティングを披露して、休憩後の第2部で、ソロで登場しました。
曲は、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」。
抒情的な、だけど情熱的な曲に乗せて、美しいスケーティングを重ねていきます。

その姿は、アボットがスケートが好きであることをひしひしと感じさせるもので、なんとなく勝手に「明日に架ける橋」に彼は何か自分の思いを込めているのかなあなどと考えてしまい、思わず涙腺が緩んでしまったのでした。

ああ、今日はこの二人を見ただけでも、高い金払った甲斐があったわ.…そう思いました。

そう、ひとりではなく、ふたり。
そのもう一人が、タイトルにもある柴田嶺くんです。
インスタのお友達の方は、昨日、パンフの写真を上げたのでご覧になったと思いますが、もう今の時代、スケートファンのなかでも、彼を記憶している人は少ないのではないかと思います。

世代的には織田信成君と同じくらいで、実は、ハヤシが今までに見た唯一の競技会、帯広のインカレでは、信成君に次いで2位位だったのが彼でした。
これでわかると思いますが、元々は男子シングルの選手だった人です。

柴田君は北海道出身(確か釧路だったんじゃないかな)で、なかなかのイケメンさんだったせいで、選手としたバリバリやっていたころは、かなりアイドルっぽい扱いをされていたようでした。
そのころの男子選手にしては珍しくビールマンポジションをとることができて、全日本選手権にも何度か出場しました。
が、シニアに上がってからは国際大会からは遠ざかって早々に引退した方でした。

引退後、プロスケーターをやっていたのは知っていたんですよね。
以前、TBSの番組でお天気お姉さんが、赤坂サカスかなんかの特設リンクで付け焼刃のフィギュアスケートを披露したときに、そばでお相手をしていたのが柴田君だったのです。
ああ、柴田君、プロでやってるんだと、そんな風に思っていました。
何年か前のことです。

しかし、プロスケーターとはいえ、食ってける人は、選手時代に素晴らしい成績を収めた人くらい。正直なところ、柴田君くらいの選手ではきつかろう、そんな風に思っていました。

つい最近、柴田君が現役復帰して、あの高橋成美さんとペアを組んだことを知りました。
もうびっくりしました。
だって、柴田君29歳だというではないですか。
男子選手は女子と違って?選手の高齢化が進んではいるけれど、さすがに現役を退いてから5年も6年も経って29歳で復帰なんて、ほぼほぼ前例がないんじゃないかと(プル様は一応引退はしてないしね)。

しかも、相手は、世界選手権でメダリストになったことがある高橋成美さん。

すごい覚悟だよなあ、でも、本当にスケートが好きなんだなあと思ったものでした。

まだペアを組んで間もないようで、全日本選手権は4位だったそうですが、少しでも経験を積もうということなんでしょうか。スターズオンアイスに出演したのです。

電光掲示板に名前が出たときは、短く「あっ」って、叫んじゃったもんね。

正直なところ、成美さんとはまだ息が合いきっていないようで、スピンなどがシンクロしきれていなかったのですが、それでも、やはり「ぐっ」と来たのでした。

あのとき、信成の一段下に立っていた、眉毛が細いちょいとチャラい感じの男の子。
あの男の子が、おそらくは厳しい生活の中スケートを続け、プロからまた競技の世界に戻ってきて、数々のスターに交じって滑っているなんて…

応援したいなあ、と思いました。

さて、肝心なお目当ての宇野君は、エキジビジョンナンバーの「バラ色の人生」をやっていました(なお、宮原知子ちゃんは、ショートプログラムのナンバーをやっていました)。
この日も、習得間近という4回転ループに挑んで転倒していました。

これ自体は別にいいんだけど、なんというか、ちょっとお疲れモードなのか何かわからないのですが、演技に迫力や華がないのが気になりました。

昨日ショーを見て、テレビと実物では全然違うなあ(かなり照明に凝っているので、競技会の印象はまた違うと思うのですが)とは思ったのですが、それにしても、テレビを観ている時に伝わってくる、匂い立つような「内側からの表現」が、全然伝わってこない。

席が遠かったのは関係ないと思うんですよね。
遠くても、アボットや荒川さん、デイビス&ホワイト、鈴木のあっこちゃんなんかは、ぐんぐん胸に迫る感じがあったから。

これは、勝手な思い込みかもしれないんだけど、ジャンプにばかり気が行ってしまって、持ち味の表現力が発揮できなくなっているんじゃないのかな、宇野君。
全日本の時もそうだったけど…

ネットでは、宇野君が今期の後半の試合には4回転ループを入れていきたいと語っているニュースが流れていて、アンチ宇野みたいな人々は、「今期はどの試合でも満足に4回転飛べていないくせに、何を言っとるか」という趣旨の批判を結構繰り広げています。

ハヤシは、4回転ループに挑戦すること自体は別に周りがどうこう言うことではないだろうと思うんですよね。
どのタイミングで何をやるかは、選手がコーチらと相談して決めることだろうし、来年はオリンピックシーズンだから、新しいことはやりにくい(ほら、試験の直前は復習が大事というでしょう。それと同じなんですよ、きっと)。
で、おそらくオリンピックの男子シングルは4回転の戦いになるだろうから、今シーズンの間の3つ目を習得しておきたい、というのは十分ありだと思うから。

ただ、宇野君の場合、演技構成点が年齢の割に高いのが持ち味で、この点数って「かたい」得点源になりうるわけです。まだ、採れてないポイントもあるみたいだし。
それに、いま飛べている4回転も加点幅が少ない。

そう考えると3つ目を覚えるのはいいとして、既に飛べている4回転の加点幅を増やす努力とか、今できることをさらに確実にしていくことについては、どう考えているのかなあというのは、ちょっと気になるところではあるのです。

山田門下にありがちなルッツのエッジ違反もたびたび取られているみたいだし…

まあ、長いシーズンのことなので、いろいろと試してみた結果浮き沈みが生じることはなんぼでもあるのだとは思うのですが、ちょっとねえ、全日本の時に感じた「振付が雑」「沸き立つような雰囲気が感じられない」が続いている感じなのが気になります。

なお、深夜のテレビニュースで、昨日の夜の部の公演では、今年のショートをやり、4回転ループの着氷したとのことでしたが…あれは、間違いなく回転不足…YouTubeで演技全体も見ましたが、他のジャンプもステップアウトしていたし、踊りも緩慢だったんだよなあ…

2月以降の後半戦に向けて、持ち直してもらいたいと願うのでした。

さはさりなん、行ってよかったです、スターズオンアイス。
アイスショーのイメージが変わりました。
往年の選手も含めてすごい人が続々出てきて、次々演目を披露していくので、製氷休憩以外に気が抜ける時間がほとんどない。
しかもみんな本気の滑りだし。

家に帰ってきたらぐったり疲れて、1時間くらい爆睡したほどでした。
心地よい疲労でした。

あ、信成君、刑事君、宇野君、宮原さんの恋ダンスも見ましたよ。
信成君がやたらノリノリでした。
星野源の「恋」がいい歌なんだということもやっとわかった(で、iTunesで買った)。
けど、演目としては、いらなかったな。

というわけで、次回のスケート観戦は、冬季アジア大会in札幌なのでした。
当然レポートします!!



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