今日は我慢したぞ。
晩酌。
なんて偉そうに言うほどのことでもないのですが、最近、夕食時にお酒を飲みたいことがしばしばございまして。
お酒はもともといける口だったのですが、「食事の前の晩酌習慣」というのは、数年前までありませんでした。
どちらかというと、外での飲み会とか友人との食事とか、あとはちょっと背伸びして一人で飲みに行ったときに口にするとか、そんな感じでした。
飲む酒も量も全然違いました。
20代の半ばから30代の後半までは、蒸留酒ばかり飲んでました。
蒸留酒と言ってもいろいろ種類はあるわけで、20代の半ばから30代初めくらいまでは、バーボンやラム、ジンなどの洋酒の蒸留酒。飲み方も、ロックでした(割るなんてもってのほかという感じでしたねえ)。
まだ札幌で働きながら受験していたころで、友人に連れられて行った「すすきのゼロ番地」という地価の飲み屋街の一角にあるバーに、1か月に1回くらい行っていたわけです。
30代半ばになってからは、焼酎、泡盛。これもロック。
きっかけはよくわからないけど、たぶんこのころ、焼酎ブームに泡盛ブームだったんじゃないのかなあという気がします。
飲む量は、少なくとも3杯くらい。多い時は4,5杯。
水飲みながらにしても、よく飲んでたもんです。
ここ1年、半年くらいですかね。
飲む酒と飲む量が変わりました。
飲む酒は、もっぱらワインか日本酒になりました。
ワインも、最近は白がお気に入り。
飲む量も食事の時に1杯が基本。
こうも変わったのには、一応理由があります。
まず、2年くらい前から1年近く、体調が芳しくない時期が続きました。
重病ではないのですが、1,2か月に1度風邪のような症状が出る、その後、ちょっとしたアレルギー症状に見舞われるみたいなことがかなり繰り返されて、一時期あまりお酒を飲まないようにしていました。
体調が少しずつ良くなってきて、「ちょっと飲みたいなあ」と思うようになり、夕食時にワインを飲むようになった、という感じでしょうか。
名古屋時代に、ひとりで行けるいいバーを見つけられなかったというのも理由のひとつです。
東京で一人暮らしを始めた時は、中野に住んでいました。
中野は、JRの北口のほうに「ハラーズ」というぼろっちいバーがありまして(失礼)、そこに良く通っていたのです。
演劇畑の人が中心にお店を切り盛りしている面白いお店で、友人を連れて行ってよし、一人で一杯ひっかけるもよし、駆け出しの弁護士だった私は、ストレス発散しに良く通っていました。
お店の人とも仲良くお話ししたし、一人で来たお客さんと中野ネタで盛り上がったり、一人でもほんとに楽しめるお店でした。
名古屋は(ラーメンやそばと同じく)、バー不毛の地と言われていまして…ほんとになかったのです。
ただ、元は飲兵衛のアタクシ。
名古屋の中心街、栄にある「ラシック」というファッションビルの1階にエノテカがあって、そこで軽く飲ませてもらえることが判明。
土日の夕方に文庫本片手に立ち寄っては、(体調の良い時に)よく1杯ひっかけるようになりました。
ワインって、大学生のころに安物を飲んでゲロゲロになった苦い記憶があって、「危ない酒」と敬遠していたのですが、ここでおいしさ・楽しさに開眼した感じです。
大学生のころの安物によるゲロゲロの思い出は、実は日本酒にもありました。
飲み会でまともな酒がなかったときは、ずーっと「燗酒」でゲロゲロを防いでいました。
要は、日本酒は冷で飲むと飲み口が軽くてぐいぐい行ってしまうので、つい飲みすぎになる→ゲロゲロになるという法則があるわけですが、自分の場合、日本酒自体に対する偏見になっていたわけです。
日本酒開眼は東京に戻ってきてからです。
ある日のこと、東京ミッドタウンに、ふら~っと出かけました。
地下を歩いていくと、「福光屋」というお店。
もしかすると前からあったのかもしれませんが、自分が気が付いたのはその時。
金沢の酒屋さんだということがわかり、ほんとにふらふらと中に入って、思わずお銚子と蛇の目2つ、あと名前は忘れてしまったのですが、「燗にするとおいしい」と書いてあった日本酒の4合瓶を1つ買ってきました。
そのお酒はそこそこおいしいという印象で、その2か月後くらいにまたミッドタウンに行ったときに、ふと思い出してまた立ち寄りました。
その時買ったのが「加賀鳶」の吟醸。
これが、本当においしかったのです。
日本酒ってこんなにおいしいのか!!
なんて今までもったいない生き方をしてきたのか!!
…とこうなったわけです。
今や、お酒なんて、本当においしいワインや日本酒をほんの1杯飲めれば幸せ、十分という状況。
その代り、できれば毎日夕食の前に1杯欲しい。
その分、ご飯は少なくて構わないから。
若い頃の自分は、ありきたりですが、「色んな酒に詳しい私」を演じたくて背伸びしていて、本当のお酒のおいしさなんてわかっちゃ~いなかったんでしょうね。
それにあのころの量なんて、今、とてもじゃないけど飲めません。
今なんてワイン1杯飲んだだけでも、日によっては、家に帰ると何もやる気が起こらなくて、風呂にも入らず寝ちゃおっかななんてなったりするくらいなんですから。
ああ、それでも、このまえ渋谷の桜ヶ丘カフェで久しぶりに飲んだマティーニのロックはうまかったですな。
要は、あまりくどくない、少しだけホワンとした気持ちに連れて行ってくれるお酒を今の私は求めているということなんでしょう。
晩酌は太るし、何より若いころに酷使した?肝臓をいたわるには、週に1回や2回の休肝日は設けることが必要ですけど、明日も仕事の後の夕食では、白ワインが一杯飲みたくなっちゃうかもしれないなあ。
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