2016年12月25日日曜日

そして女子なのだ。全日本フィギュア総括その2


順当といえば順当だったんでしょうか。
今期のグランプリシリーズである程度活躍した女子3人が代表をとりました。

表彰台争いというところで見ると、宮原さんと樋口新葉ちゃんはほぼ確実だと誰もが思っていたでしょう。
もう一人が誰になるんだ…ある意味混戦といえば混戦だったでしょう。

本田真凛ちゃんか、坂本花織ちゃんか、三原舞依ちゃんか、はたまた本郷理華か…
真央ちゃんに表彰台を期待していた人もいたかもしれません(多かったのかな)。

三原舞依ちゃん、存在があまりにも地味なので、表彰台争いのひとりという印象は結構薄かったかもしれません。だけど、大きなミスなくショートもフリーもまとめて、気が付いたらポンと3番目に来ていた、という感じ。

こうやって眺めてみると、やはり個性のある選手が上位6位に入ったなと思います。
女子って技の正確性や小技の効かせ方次第で点数が大きく変わる非常にわかりにくい競技になってしまっているので、演技も似たり寄ったりだし、選手の個性もパッとしないことが多い。

だけど、世界でも日本でも上にくる子はやはりそれなりの個性があります。

宮原さんは堅実で間違いがなく深い演技をする。
樋口さんはスピード感と色っぽさ。
三原さんは明るさと若さ(体が珍しく堅そうなのも個性かも)。

ただちょっとなあ…このメンバーでオリンピック3枠をとるとなると相当頑張ってもらわないといけないかもしれません。

表彰台が惜しかったマリンちゃんについてですが、表現力も技術力も申し分ないんだろうけど、全体的に「軽い」のが気になります。力強さを感じないんですよね…
そして、なんというか今が完成形になってしまってる感が強くて、伸びしろをあまり感じない。
シニアに来ると結構苦労するのではないかなと感じています。

本郷さんは、表彰台に乗るためにフリーを昨シーズンのものに戻しましたが、不発でしたなあ…リバーダンスは確かに名プログラムではありますが、なんというか今期の不調は別にプログラムのせいではないように思うし…なんというか安直な選択だったような気がする。
逆に評判がよかったプログラムを滑るんだから高得点を出さないとというプレッシャーが彼女にかかったのでは…
本郷さんの場合、長い手足を上手く使えていないためにプログラムが大雑把で粗雑に見える欠点があるのと、回転不足が大きな問題ではないかと。
そこを根本的に直さないと、本当に村上佳菜子地獄に陥ってしまいますぞ。

さて、その村上佳菜子ですが、今日のトスカはよかったですね。ジャンプ構成を落としてプログラム全体を見せるという作戦は当たっていたと思います。
ドラマチックで難しい曲をしっかり踊りこなしていて、近年では一番よい仕上がりだったのではないかと。
ただ、佳菜子ちゃんは艶っぽさが残念ながらゼロで、とはいえ、堅実にクラシックを踊れる雰囲気もない。しかし、イメージ的に曲の選択が難しい人ではないかなと思います。
あ、あと…メイクはもうちょっと勉強した方がいいかも。しもっぷくれの輪郭とか残念ながら鼻の穴が大きいのとか、わざわざ悪目立ちするメイクにすることないでしょう…
申し訳ないが、顔の造作は若干残念な方なので、それを前提として曲や衣装に合わせたメイクができるよう、しっかり勉強しましょう。

最後に真央ちゃんですが…何もいうことないなあ。
終わった後のインタビューとか見ていて、引退するのかなと思ったのですが、どうも競技は続けるらしいですな。
過去の栄光をかなぐり捨ててボロボロになってもやろうというのは本人の選択なので全然かまわないと思う。
自分がピョンチャン目指してやると言って戻ってきたのに、道半ばでやっぱりやめました、というのは言えない性格…なんでしょうね。
個人的には、真央ちゃんに対しては「納得いくまでやっておくれ」ということしかもはや期待していないし、これ以上のことを期待してはいけないんだと思ってます。

トリプルアクセルという呪縛は彼女の栄光にとってはマイナスだったかもしれませんね。
これにこだわりすぎたために、彼女は「3回転3回転を完ぺきに飛ぶ」ことが求められる現代の女子フィギュアの潮流からは置いていかれる存在になってしまいました。

そこが気の毒でもあり、彼女を多くの人の記憶に長いこと残っていく稀有な選手にしたのだとも思うのですが、彼女自身のスケート人生の波瀾万丈さの原因にもなってしまったかな…と。

表彰台に乗った3人の女子は、みなちっこく、その体に世界で戦う力を秘めているのが信じられないくらい。

とりあえず、お疲れさんでした。
気が向いたら、明日のエキジビジョンを楽しもう。

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