2014年2月15日土曜日

冬の羽生ちゃん大祭、終了〜!

男子シングルが終わりました。

気がつけば、差し詰め「冬の羽生ちゃん大祭り」で終わってしまいました。誰だ、プーさんのティッシュケース持っていけないから、メンタルやられてダメなんじゃないかとか言ったのは。
おそらく大羽生ちゃん祭りになっちまったのは、プルシェンコが棄権したからでしょう。

プル様の棄権により、ロシアの出場選手はゼロに。審判団はロシアに気を遣う必要がなくなり、ある意味「公正な」目で採点ができる環境が整いました。
そんなわけで、まずショートプログラムで、羽生くんにトチ狂ったような高得点がでてしまいました。

そして、数点差でチャンが追う形になり、3位以下は、12位くらいまで大混戦の様相に。これ、プル様がいたら、ショートの段階でメダルの行方の枠自体は、チャン・プル・羽生に限られ、後は誰がどの色になるかという正直非常につまらん状況になっていたように思います。

したがって、今大会におけるプル様の功績は大きいといえます(もちろん、31歳の満身創痍でロシア男子フィギュア界を背負ってきた彼があんな終わり方をしてしまったのは、非常に気の毒であります)。

しかし・・・
羽生ちゃんのメダル、日本全国が沸き立っていますが、ハヤシはなんか全然盛り上がりません。
だって、あまりにも予定調和だから。
グランプリファイナルの頃から、お膳立てが着々と進んで、で、その通りになったってだけなので。

ショートの出来は完璧だったけど、だからといって、あんな高得点がでる演技なのかと言われたら、私の意見は断然「ノー」で、お膳立てしたものを完成させる必要があるから、あの点数になって、かつ金メダルになっちゃっただけじゃん、というのが率直な感想です(だから、真に公正なジャッジではなく、ある意味公正なジャッジとしかいえないのだ)。
羽生ちゃんの振る舞いは、周囲の期待通り、オリンピックの中でも少女マンガの王子様みたいで、ソチのあのリンクが、マンガの背景画にさえ見えてしまう。
あれ、素でやってるんだとしたら、彼の心臓には剛毛が生えていると思われます。

3位以下は先ほども書いたとおり、ショートが終わった段階で、3点から5点くらいの間に10人くらいが入っている超お団子状態で、その枠に入っている選手たちは「俺にもチャンスがあるわ!!」とばかりに、果敢に難度が高いプログラムに挑んでいました。したがって、第3グループから(実を言うと第2グループの一部もかなりいい演技をしていた。アボットとか)、全く目が離せないハイレベルな演技が続きました。

そんななかで、デニス・テン好きのハヤシとしては、彼が銅メダルをとってくれたのは、とってもうれしかったです。

今季は、故障に病気に靴が合わないという散々な状況の中、実質初の国際大会だった四大陸選手権では表彰台に乗れず、かつオリンピックでもショートはあまりパッとしない演技でした。

しかし、フリーは良かったですねえ。
ショスタコーヴィッチの曲って、あんまりフィギュアで使われないように思うんですけど、彼は、あの個性的でちょっと野暮ったく男っぽい感じの曲のリズムをすごーくうまく表現していたように思います。
無骨な雰囲気のあるデニスには、よく合っていました。
いや。ほんとよかった。

惜しかったよね。町田くん。
デニスとは、ミスひとつの差でしたよね。冒頭の転倒がなければ、銅メダルだったんじゃないかと思います。

さて、番外編。
今回のソチでも、ハヤシの目を一際惹いたのは、フリースケーティングの最終滑走者、ジェイソン・ブラウンくんです。
なんかもう、かわいさ大爆発。

羽生くんが少女マンガの王子様なら、ジェイソンくんは、教室の窓辺から王子様をため息混じりに見守る女子高生。

柔軟性が高くて体幹がしっかりしているごっつい体型。
そして、スムーズなスケーティングに難しいポーズでのスピンを決める確かな実力(レイバックスピンは、女子シングルに出したいくらいポジションがきれいです)。これで4回転飛べるようになれば、かなりいいとこいく選手になるのは間違いなし。

が、演技終了後のごあいさつからキス&クライにかけての彼の姿は、乙女度100パーセント。オネエ全開に変貌してしまうのです。

まず私の目を釘付けにしたのは、ショートプログラムの滑走の後です。
キス&クライに来たジェイソンくんは、コーチに腕を絡めて、手を指が交差する状態でおつなぎしてしまいます。そして、にこにこ笑いながら、コーチの方に顔を埋めて甘えるのです。うおーっ。

そして、フリースケーティングの後は、リンクの上でやっちまいました。
両手を頬に当てて、「あ~、やったわ~」という表情。しかも、その手がなかなかにでかいグローブみたいな手で、覆われた顔が4分の3くらい隠れちゃう。

もう絶対ジョニ子の後継者間違いなしです。敬意を表して「ジェイ子」と命名したいと思います。

残念だったのはフリーの点数がイマイチ伸びなかったこと。
演技自体は、非常にスムーズで、一見キレッキレに決めているように見えたのですが、その後の超冷静な本田武史の解説で、ジャンプの回転不足や両足着氷が結構多かったことが判明。
ショート5位から最終順位9位に沈み、惜しくも入賞は逃してしまいました。それでも、ジェイ子は笑みを絶やしませんでした。えらい。

思えば、先輩のジョニ子も、素人から見れば充実した演技をしているように見えたのに、大きな大会では得点が伸び悩むことが多い選手でした。

それをジョニ子ファンはじめフィギュア好きの人間は、同性愛者に対する差別のようにとらえていましたが、案外自分の世界観にこだわるあまり、そういう細かい点での取りこぼしがあったのかもしれません(もっとも、フィギュアの採点は極めて主観的な側面があるので、差別説を否定するつもりもないんだけど)。

ジェイ子には、ジョニ子の悔しさを受け継いで、差別的な人間にも文句を言わせない正確な技をバシバシ繰り出すスーパースペシャルな乙女系オネエスケーターになって欲しいものです。

いやしかし、やっぱりフィギュアは男子シングルが一番です。
一人一人の選手がその個性で勝負できるのは、男子フィギュアだけだと思います。
羽生ちゃん祭りはさておき、ソチの男子シングル、堪能しました。

大輔のことは・・・気持ちが整理できていません。
何回見ても涙が出てくる。というわけで、またの機会に。

そういえば、あまり言われていないけど、表彰台をアジア系が占めたのって、実は今回のオリンピックが初めてでは?
それもまた画期的で、日本人としては喜ばしいと思うのでありました。

0 件のコメント:

コメントを投稿