2014年6月30日月曜日

台所に立つ喜び!!

どうも。胃腸をやられて伏せっていたハヤシです。

日曜日、ほぼ引きこもりの生活をしたおかげか、腹回りの調子は金曜日とは比べ物にならないくらい改善されました。
とはいえ、痛みや胃の違和感が全くなくなったわけでもなく、今度はのどに痛みが走る始末…

月曜日は、ちょっとした雑務をしにどうしても事務所に行かねばなりませんでした…が、自分の状態、今、どうなってるのか?ということが知りたく(かつ、固形物を食べれないのでフラフラで)、仕事が終わった後早めに切り上げて、病院に向かいました。

回復具合、当然完調ではありませんが、お医者様から見ても順調、とのことで、ほっと一安心。
そして、虫垂炎の可能性は低く、ウイルス性胃腸炎の可能性の方が高いだろうという見立てがやっと示されました。

というのも、のどの痛み。そして左下腹部の所見。
虫垂炎であれば左側に所見が出ることはあまりなく、また、回復期にのどに炎症が来るのは、わりにウイルス性胃腸炎の典型症状らしいのです(とはいえ、虫垂炎の可能性は捨てきれないので、投薬はそのまま)。

嬉しかったのは、「白米と白身の魚(もちろん生はだめ)くらいだったら食べてよい」という、固形物一部解禁でした!!

なんと、自宅には北海道出身らしく、ホッケやら鮭やら脂ののったお魚しかない私…スーパーで鱈を買って、早速焼いて食べました。

鱈…こんなにうまい魚だったのか…淡白な味だけどしょうゆ振れば十分食べれるじゃないか…うまい!!
小心者の私は、保険をかけて?主食の方は白粥にしてしまったのですが、今のところ臓器は何ともなさそうな感じなので、明日は、お弁当に塩むすびを一個持参したいと考えています。

固形物が一部解禁になったのはもちろんうれしかったのですが、それ以上にうれしかったのは、実は、久々に台所で「調理らしい調理」をしたことでした。

まず、夕飯用におかゆを作りました。そして、鱈を焼きました。おにぎり用にご飯を2合炊きました。

たったこれだけの調理に、食器や調理器具を洗う…という作業でしたが、台所に立って、焼き加減や炊き加減を見ながら他の作業をする、あの「無になれる感じ」を数日ぶりに味わえたというのが、とってもとっても嬉しかった。

それだけ、ウィダーinゼリー生活は無味乾燥なものだった、ということなのです。

さて、私、実は水曜日から訳あって、実家札幌に帰り、木曜日午後に東京に戻るのですが、そこまでの間は、「白米+脂身のない魚」までの固形物摂取しか許可されていません。

ホッケとか、豆腐とか(豆腐はにがりで固められているので立派な固形物なんだそうです)、納豆とか、もうちょっとましな固形物はいつになったら食べられるのか。
今週末くらいには口にできるようにしたいものです。

そうすれば、もうちょっと台所に立つ時間も増えますから。


2014年6月28日土曜日

四十路、体調不良です。

どうも。のっけから辛気臭いタイトルですみません。

実は25日水曜日の夜から、お腹の調子が激悪になり、木曜日に病院に行ったところ、原因は告げられないけど胃腸炎と言われ、薬を処方されたうえ2時間の点滴をされました。

実は病院に向かう途中、右下腹がめちゃめちゃ痛かった。
点滴の結果(炎症止めが入っていたおかげでしょう)、痛みはかなり軽減されました。

当然この日は仕事は休み。
夕方頃からまあまあ少し回復傾向かな…と思いきや、夜からまた腹痛が始まりました。もちろん朝ほどひどくはなく、下痢も収まっていたのですが・・・

がしかし、昨日の金曜から、また腹具合が悪く、痛みも激痛ではないにせよ残っている…
実は木曜は、かかりつけの病院が休みだったため、婦人科の方でお世話になっている別な病院の内科を受診したのでした(ここの内科医、前にかかった時にもスキルが低そうなじいちゃん先生ばっかりで不安ではありました)。

金曜の夕方まで様子を見て改善される様子があまりなかったので(当然仕事はまた休み)、思い切ってかかりつけ医を受診しました。前日の調剤の記録と血液検査の結果をもって。

順番が回ってきて診察室へ。
既に受付から渡されていた検査結果と調剤記録を見て、先生、開口一番、

「林さん、病院で原因なんだって言われた?」

原因はっきり告げられていない、と話すと、ため息ひとつ。
血液検査の結果からすると、下痢を止める薬を出すのは大間違い、とのことで、さらに詳しい問診と触診が行われました(触診ほとんどしていないと言うと、胃腸炎の場合、まず触診が一番大事なんだそうで、呆れた顔をしていました)。

その結果。

虫垂炎かウイルス性胃腸炎のいずれかだけど、間違った投薬のせいで腸内環境がかなり変わってしまっているので、開腹しないと断定無理、と言われてしまいました。

虫垂炎なら抗生剤の投与必要だけど、ウイルス性胃腸炎は原則回避するのだそうで、この状況でどういう調薬をすべきか、先生、非常に悩んでおりました。
結局、虫垂炎の疑いが高く、かつ腹膜炎のリスクを考えて抗生剤投与を決断、その他整腸剤と胃薬を出されました。

さらに、木曜に行った病院での医師の食事指導「ヨーグルトとかアイスクリームとか、食べていい。アイスクリームは栄養もあるし」というのも大間違いだと。
乳製品はこういう場合、腸内に入るとウイルスを増やす可能性があり、食べちゃダメ、とのことでした。

基本絶食を宣告されました。
食べていいのは、ウィダーinゼリー、白粥、素うどんのみ。
水分は一生懸命とること…

先生の診断や食事指導をトータルで聞くと、自分、とんでもない重病人な感じです。
結構落ち込んで、帰りにセブンイレブンに立ち寄り、ウィダーinゼリーやら冷凍うどんやらめんつゆやらを買い込みました。

お店のお兄さん(行きつけなので)、なんじゃこの買物…って思っていただろうな~。

で、昨晩から、ウィダーinゼリー&素うどん生活が始まったのですが、この生活、一言でいうと、ヒマです。
なぜなら、料理する必要がないから。食べる時間が短くて済むから。

ウィダーinゼリーなんて、ほんと「10秒チャージ」で、「いただきます」したら、即効終了ですから。
しかも、食器あらう必要もなし。

うどんについては、セブンイレブンの冷凍さぬきうどんを買ってきたのですが、これがレンジでチンして温められる。
麺つゆもセブンイレブンのもので、5倍濃度で薄めれば終了。
調理時間4分くらい(お味の方は結構うまいです。ああ、タマゴ落として食べたい・・・)。

ただ、下手にうどんとか毎食食べるんだったら、1食か2食、ウィダーinゼリーで頑張って、「たとえ、素うどんでもいいから人間らしいものを食べたい」というときに、うどんやおかゆにしたほうがいいと思います。

なぜなら、ウィダーinゼリー、ビタミン類が豊富なのです。ナトリウムが多いのもちょっと気になりますが…
うどんやおかゆだと基本炭水化物しかとれないですからねえ。こればかり食べているよりは、ビタミン摂取できる分、ウィダーちゃんのお世話になったほうが、まだ体のためにはいいんではないかと…タンパク質はとれませんが(とっちゃいけないんだろうし)。

さて、肝心の体調の方ですが、なぜか昨夜は、ちゃんとした診断がついてホッとしたのか、結構よく眠れまして、しかも当然完調ではないものの、体の方もずいぶん楽になってきました。
たまに腹痛などはありますし、右下腹には若干の違和感はあるものの、昨日の昼間までに比べれば、まさに天国。

が、いかんせん食べていないため、体重激減体力低下…169センチで52キロ切ると、さすがに一般人はやばいですねえ(若いころは、50キロから51キロくらいのこともありましたが…齢を重ねるとこれでは…)。
本日歯医者に行くため2時間ほど外出したのですが、帰ってきて即効昼寝しました…

というわけで、今のハヤシの魂の叫び。

固形物喰いてぇ~!!



2014年6月22日日曜日

今更ながら、iTunes。

珍しく、すっかりくつろいでいる日曜日です。

最近は、期せずして土曜日に仕事が入ることが多く、普段なら土曜日に片づいてしまうはずの家事の一部が日曜日に。

そのため、何となく気ぜわしい思いをして休日を終える・・・月曜日、すっきりしない・・・という日々が続いておりました。

まあ、昨日も打ち合わせはあったのですが、夕方から、ごく短時間で終わったので、それほど大変なことにはならず、本日、ハヤシ、のんびりできているわけです。

今は自宅近くのカフェにポメラを持ち込んで、ブログを書いているところでございます。

さて、くつろぎついでに、本日は、最近のハヤシの隠れたマイブームについてお話しします。

それは、「iTunes Store」で音楽を買う、ということです。

なんなんでしょう。この「いまさら」感・・・
しかし、ハヤシにとっては、何とも新鮮な毎日だったりするのです。

ハヤシの音楽傾向について、まずちょっと説明しますと、十数年間クラシックピアノを習っていた人間とは思えないほど、クラシック音楽を聴かず、ドメスティックなポップ&ロック、歌謡曲、アイドルソングなどなどを好んでおりました(未だ演歌にはシフトせず)。
洋楽は、ラテンやアメリカの古いR&Bを多少聴くくらい・・・

いろんな人が手を尽くして完成した1つ1つの作品をリスペクトしている上、CD(古くはレコード)のジャケット好きでもあります(ジャケ買いしたCDも多少あり)。

そのため、曲を聴くなら断然CD派でした。
例えば、店頭の試聴で気に入った曲が1曲しかなくても、アルバムお買い上げ、なんてのは当たり前でした。

webで曲を買うなんて、音楽の使い捨て、文化の衰退を招く、なんて思っていました。

が、つい数週間前のことです。

NHKの「SONGS」で原田知世が唄っていた「うたかたの恋」が非常によくて、欲しいなあと・・・
が、これ、アルバムの中の一曲でシングルカットされていない・・・

本当になんの気なしで「iTunes Store」を覗いてみたところ、売っていて、思わず買ってしまったのであります・・・

で、買ってからの曲の使い勝手がなかなかいいのです。

私は、移動中にイヤホンをして曲は聴かない主義なのですが、例えば自宅で、朝、身支度を整えているとき、ストレッチやその他のトレーニングをしているとき、ベッドに横たわってネットサーフィンをしているとき、何か耳寂しいなと思ったら、わざわざプレイヤーを起動しなくても気軽に聴ける。

「うたかたの恋」はごく短期間で、私の生活を彩る一曲になりました。

その後も、coccoの「水鏡」、大江千里の「十人十色」、ももくろの「サラバ、愛しき悲しみたちよ」、エレカシの「悲しみの果て」を購入し、毎日楽しんでいます。

バラバラやんか!!とお叱りを受けそうですが、どれも「iTunes」で購入した理由はそれなりにあります。

例えば、若い頃好きだったんだけど、CDを買いそびれて今じゃ聴けなくなっているとか(千里くん)、自宅にCDはあるんだけど、わざわざ持ってくるのもちょっととか(cocco)、CDは何枚も持っているのに、なぜかこの曲だけ持ってない(エレカシ)とか。

ももくろに関しては(彼女たちのことは極上のエンターテイメント集団だと思っていて、実は心密かに応援しています)、ほかの曲はあれなんですけど、なぜかこの曲だけが好きで、しかもCD買うのが恥ずかしい(ごめんね!!)という理由での購入になっています・・・

今でも、音楽はきちんとハードを手に入れて聞くのが本筋というポリシーに変わりありませんが、「iTunes Store」も使いようかなと、思うようになりました。

基本1曲250円くらいなので、ちょっと気になっているミュージシャンの曲をお試しで買って聴いてみて、よければCDを買ってみる・・・みたいな感じ。

しかし、もうこうなってくるとCDを買う価値って、自分なりのプレミア感を楽しむとか、ジャケットのアートを楽しむとか、そう言うところに見いださざるを得なくなってくるのかな、世間的には、と思わざるを得ません。

最近、CD屋さんに行っても「このジャケットは素敵!!」というCDに出会えなくなっていて、やはり、webの音楽配信って罪なのかも、と思えてきた。

つくづく、やはり基本はCD、だな。
「iTunes Store」は目的を持って利用しましょう・・・
 

ハヤシと美術館とのお付き合い。

昨日、21日、北品川にある原美術館に行ってきました。

実はハヤシは、原美術館のフレンドシップ会員でして、年間1万円の会費を払っています。
これ、2013年からのことです。

きっかけは、2012年の3月頃のこと。
ちょうど、その頃、ハヤシの妹が職場の研修で2か月ばかり東京で生活しておりました。

彼女の住まいは会社からあてがわれたマンションだったので、金曜の夜によくうちに泊まりに来て、土日に一緒に美術館を回っていました(彼女は、私なんぞ比にならないくらいの美術好きです)。

その中のひとつが原美術館でした。

ここは、ポップアート専門の美術館なのですが、妹と行ったときは、20世紀の服飾の歴史の展示をやっていて、初期のココ・シャネルやイヴ・サンローランのデザインのドレスや、私が尊敬するコムデギャルソンの川久保玲、イッセイミヤケなどの、古いコレクションラインなども展示してあり、その美術館らしからぬ展示が非常に興味深かったのであります。

館内はお世辞にも広いとはいえないのですが、中庭に面してオープンなカフェがあり、軽食やアルコール、お茶にコーヒー、スウィーツを楽しむことができます。

しかも、他の美術館にありがちな「休憩メイン」のお味ではなく、出てくるものはどれもなかなかに本格的なお味。
妹と行ったときは、パスタとスパークリングワインを頼んだのですが、本当においしくいただきました。

アートはもちろん食、くつろぎの空間でも人を楽しませようという原美術館の姿勢に私はすっかり感激し、ちょっと応援することにしました。
で、一番お安くはあるけれど、年会費を払う立場になったのです。

とはいえ、なかなか行く時間も取れず、年会費のもとは全く取れていません。

そんななか、今やっている展示は、絶対に行きたいと思い、本日夕方からの打ち合わせの前に、私は原美術館に行きました。

本日の展示は「ポリフィーロの夢」という、とあるお話を元にした展示です。

ポリフィーロという男の子が、愛するポーリアという女の子を助けるために命がけの冒険をする…と
いう夢(これ、全部言ってしまうと面白くないのでこれくらいにしておきます)の物語の順番に、展示が用意されているというものでした。

館内に入る時からすでに物語は始まっていて、大きなオオカミの口を通って中に入っていきます。
そして、物語を簡単に説明する紙芝居仕立てのビデオや、パワーを増す甲冑を身につけたポリフィーロの像、自らポリフィーロになって敵と戦えるバーチャルな展示室、ポーリアのもとへ導いてくれたキューピットの部屋、等々を通って行くのです。

この展示は、二コラ・ビュフという東京在住のフランス人アーチストによるものですが、この方、「宇宙刑事ギャバン」が好きだったり、現代日本文化に影響を強く受けているんだそうです。

どおりで、ポリフィーロがつけていた甲冑に妙に特撮ヒーローの面影が漂っていたり、キューピットの部屋の装飾がゴスロリな雰囲気だったり、と、日本のポップカルチャー色がプンプンしていました。

遊園地みたいで子供も楽しいし(実際小さな子も来ていました)、ポップカルチャー好きもカップルも、一人で来た四十路女も楽しめる、非常に秀逸な展示でした。

個人的には、今まで見た展示の中でベスト3に入る良さ、でした。

ハヤシは、元々絵を見るのが好きで、わりに若いころから美術館には出入りしていました。

しかし、地元札幌は、市立の美術館と芸術の森という野外美術館があるくらいで、気が向いたときにふらっとアートを楽しむという環境にはなく、触れられる芸術にかなり限りがあったことは間違いありません。

一番美術館に通っていたのは、実は、修習生のころでした。

私が修習生だった頃は、修習開始直後の2か月間、埼玉県和光市にある司法研修所というところで座学の研修を受けることが義務付けられていました。
地方出身者は、隣接している「いずみ寮」というところに入っていたわけですが、とにかく、この生活が苦痛で苦痛でたまりませんでした。

研修所は和光駅からバスで10分ほど離れた場所にあり、しかも市街地との間には米軍の払下げの土地を、ほぼそのまま放置しただけのどでかい公園が横たわっており、ご飯を食べに行くにも、買物に行くにも不便する、まさに「陸の孤島」でした。

私は心の中で「現代のアウシュビッツ」と呼んでいました。

まずい寮の食事、研修所と寮の往復というウィークデーの生活に耐えられず、私は、ほぼ毎週末、東京に美術館通いしていました(そのため、勉強する時間がなく、成績はすこぶる悪かった)。

ビリヂストン美術館を観に行って、札幌にはない?私設美術館の良さを感じました。
上村松園の日本画に出会い、それまで全く興味がなかった日本画に魅かれるようになったのもこのころです。
損保ジャパンの東郷美術館でゴッホのひまわりを観て、その迫力に気圧されたこともありました(飾ってあるのは贋作という噂がありますが、あれが贋作なら贋作描いた人は、すごい腕前の持ち主です)。

確かに研修所の成績はとんでもないことになりましたが、この美術館通いができただけで、和光に来ていた甲斐があったのではないかと、思っています。

修習後は、仕事に追われたり、美術不毛の地の?愛知にいたり、などなど、なかなか絵画に触れることができない生活が続いてしまいましたが、原美術館と出会って、フレンドシップ会員になり、毎月展示のお知らせをもらうようになって、私の中の「アート魂」が、ほんの少し、くすぐられるようになりました。

なんというか、右脳で反応できるものを持つことは、心の余裕につながるのかな、なんて思います。
触れるものが、ただ美しいだけではない、ちょっとひねりが利いていたり、いびつだったりするものであれば、それを解釈するために一度立ち止まるので、余計に心の余裕が必要です。

そういうきっかけを与えてくれる原美術館の存在は、私にとって、とても大切なものです。

もう1つくらいは、自分のテリトリーといえる美術館が欲しいと、思いますけれど。







2014年6月15日日曜日

左眼で恋をして。

実は昨日、ジュンヤさんのデニムにキンキラ金のスニーカーを履いて、清澄のとあるギャラリーに行ってきました。

写真家アラーキーの「左眼ノ恋」という個展を観てきたのです。

フォトグラファー等々、様々なアーチスト活動をしている親しい友人から情報をゲットして、ちょうど仕事がキャンセルになったこともあり、夕方5時すぎに向かっていきました。

絵や彫刻品、その他様々な美術品を見るのが好きなハヤシですが、写真だけは「よくわからん」代物でした。
いくつかフォトエッセイ集みたいなものは持っていますが、いわゆる、ガチの「写真集」は持っていない…

そして、アラーキーの写真は、何度か写真集で観たことはあるものの、私にとって、「怖くて正視できないもの」でした。

下半身丸出しで緊縛されている女性の姿が、ショックでショックで…なんていうかわいい恐怖ではありません。

なんというか、写真そのものが生々しすぎて、観ている自分の醜さとか欲望とかを目の前に突き付けられているような、おそらくそんな感覚があったのだと思います。

「超絶美しい!!」といわれている花の写真ですら、私にとっては「生き物」に見えて恐ろしかったのです。

それが、なぜか、友人から「個展をやっている」と言われて、ふっと観に行く気になりました。

私は実は、アラーキーが右眼を失明したという話を昨日まで知りませんでした。
今回展示される写真は、そのような状態であることを表現するために右半分を黒インクで塗りつぶしているということを知りました。

そんな情報も、もしかしたら、個展に足を向けさせた理由だったのかもしれません。

あと、この友人の写真が私は好きで(今まで写真がわからなかったのだから、個人的に画期的)、その友人がアラーキーが大好きだ、というので、興味が向いた、ということなんだろうな、と思います。

まあ、そんなわけで、不思議な克己心で、私は、「左眼ノ恋」を観に向かっていったのでありました。

観て思ったのは…アラーキーファンにとっては、今更だと思うのですが、「生きること=写真を撮ること」なんだなあということでした。

女を見つめる欲望の眼。
恐竜のおもちゃを思いのままに置いたり、細工したりしている少年の眼。
街を行き交う人や車、空を見つめる生活者の眼。

アラーキーの精神や、心や、生き様が全て写真になって表れている。
それがアラーキーの写真の最大の魅力で、見る人を中毒患者みたいにしてしまうんだなあ…とそんな気がしました。

左眼だけになっても、見るもの、感じるものは変わらない。そんなメッセージのようにも思えたし、左眼だけになっても、俺は自分の撮りたいものを撮りつづけてやるんだという覚悟の表れのようにも思えたし…

街の片隅の元倉庫みたいなビルにある、決して大きくはないギャラリーで、白い壁に整然と写真が並べられている・・・しかも入場無料で「誰でも観に来てよ」という展示・・・

強くて、でも、ある意味自然体なメッセージが込められた、とってもとっても素敵な個展でした。

あんなに怖かったアラーキーの写真が、今回はちっとも怖くありませんでした。

別に、右半分が黒かったからというわけではないでしょう。生々しい色彩は、前と変わっていなかったはずですから。

自分なりに人生の修羅場を、いくつか見たり踏んだりしてきたことの証、なんでしょうか。

そういえば、人には利き腕、利き脚と同じように「利き眼」というのがあるんだそうです。

まず、両眼を開けた状態で、指を一本自分の顔の前に出します。
その後、片目をつぶって指の位置がずれて見えなければ、開いている方の眼が、利き眼。

ちなみに、ハヤシの利き眼は、左眼のようです。
私もこの左眼で、いろんなものに恋ができれば、よいのですが。


うっかり買っちゃったジュンヤさんのデニム。

夜が明けたら、ザックジャパンの初陣です。

しかし、何か今年のワールドカップサッカー、個人的にあまり盛り上がっていません。
理由は色々あって、サッカーよりも自分的に注目度が高いスポーツがこの数年の間に増えた(例えば、カーリングとかフェンシング)とか、ソチのフィギュアの余韻をまだ引きずっているとか、そんな感じのように思います。

さて、目的を持ってお買い物をしている最中に、うっかり目的と違う物を買ってしまうということは、(特にハヤシの場合)少なくないわけですが、先日の金曜日も、私、やってしまいました・・・

この日、ハヤシはちょっと気の重い面談の仕事と、かなり気の重い書面の作成を終えて、午後7時頃、新宿伊勢丹におりました。
気の重い書面ができあがって嬉しくなり、事務所で缶ビールを1本空けてから繰り出しました。

目的は、主に仕事用のワンピースのいいのがないか、見るためでした。

働く女子にとって、クールビズの季節は何を着るべきか、非常に悩ましいものです。
暑苦しくてもだめ、薄すぎてもだめ、いやらしくなってもだめ・・・

個人的には、ノースリーブのワンピース(ポリエステルとかナイロン素材の)が鉄板だと思っています。

空調がきついと思ったら袖を気にせずサッと上着を羽織ればよい。
見た目涼しげ。
化繊物であれば、基本、アクロンやエマール+洗濯ネット+手洗いモードでお洗濯もできる。

仕事着を探すときは、いつも銀座のZARA、ユニクロ、H&Mあたりを回るのですが、ちょっとマンネリ気味ですし、ZARAのワンピは体型に合わないし、ユニクロのワンピは丈の点で仕事には向かない。

で、仕事も早めに終わったし、たまに伊勢丹でものぞくか、と足を向けたわけです。

なのに、なのになのに・・・
私がこの日買ったのは、ジュンヤ・ワタナベ(つまりギャルソン)のデニムなのでした・・・

ああ、もう、何やってんだ、自分・・・
(後悔は当然していないんですが)。

伊勢丹の3階には、ギャルソンに支配された結構広めのスペースがあり、ギャルソンが存在している場所に赴いた際には基本脊髄反射で足が向いてしまうハヤシは、ほぼ無意識のうちに、ジュンヤ・ワタナベの一角に来てしまっていたのでした。

ジュンヤさんデニムが3種類つるしてありました。
色が薄く、テーパードもそれほどかかってない、ほぼフルレングスのデニム。
色が濃く、細身のテーパードで、9部丈くらいのデニム。
同じく色が濃く、太めで裾に向かって大きくテーパードがかかる、9部丈くらいのデニム。

色の濃いほう2種類を試着して、一番太めの物を購入しました(サイズはS)。

理由は簡単。
少し前から欲しかったラインに一番近く、かつ、お値段がジュンヤさんのラインの中では比較的抑えめだったこと、そして、なにより履きやすかったこと。

ゴールデンウィークに、札幌に帰省したときのことです。
大通りにあるビームスボーイで、Scyeのデニムを試着しました。

このときのラインが、太股ゆとりあり→裾に向かって大きくテーパード、そして色が濃く、丈短めというラインでした。

着やすいし、「デニムにセクシー系を持ち込みたくない、けど、定番すぎるストレートも履きたくない」という気分にぴったり、そして、ジャケットとかに合わせて案外きれいめにも着れる。

というわけで、買おうかなと思ったのですが、大きいサイズの方しかなく、小さい方のサイズ感がわからなかったため断念したわけです。

このScyeというブランド、確か店舗がなくて、セレクトショップに出回っている商品もまばら。
出会ったときにマッチしないと、なかなか手に入れられません。

東京で、Scyeを店の中で見つけると即時にデニムもないか探していたのですが、結局見つけらずにいました。

ジュンヤさんの3本目のデニムは、この、私が欲しいと思っていたScyeのラインの系列でした。
しかも、生地は、より私の好みに近く、若干厚手でなじみやすい、伸縮するかのような履き心地の良さ。
さらに、「赤耳」でした。

これじゃ、耐えられません。
お買い上げしてしまいました。

本日履いて出かけました。

コーディネートは、コムコムの半袖丸襟水玉前身ごろフリルのネイビーのブラウス、スニーカーは、petit robe noireとspring courtがコラボした金箔+ジュエリーつきの白スニーカー。
バッグはおさえめに、マリメッコのネイビーのトートにしました。

久しぶりに、思いっきり自分が着たい物を着て出かけた爽快感がありました。

デニムの履き心地ですが、早めの夏ばてか、若干体重が落ちたせいもあって、試着時よりも緩い感じがしたものの、動き安さ、足裁きの良さ、などなど問題なし。

また、今日みたいなシフォン系の若干ガーリーなトップスを合わせてもいいですし、デザインが入った白シャツを合わせても良さそう。裾がすぼまっているので、案外ワンピースを合わせてもいけそうです。

結果的には、自分でお得感を感じる買い物が出来たので、大満足なのですが、よく考えてみると脱線したまま何のケアもしていないので、仕事用のワンピは手に入れていないのであります。

まあ、着るワンピがないわけでもなく、ローテーションで回せるワンピがもう1着欲しいだけなので、のんびり探すことといたします。




2014年6月9日月曜日

個人情報保護士認定試験を受けてきました!!

月曜日は、所詮仕事は昼からと高をくくっているハヤシです。

そういう時に限って、突発的な事態が起こったりするものなのです(ま、大丈夫だろ)。

さて、明けて昨日となりましたが、前にもお話ししていた通り、8日に個人情報保護士認定試験を受けてきました。

場所は、青山学院大学。時間は10時15分から12時15分。2時間の試験です。

簡単に紹介すると、この個人情報保護士認定試験は、一般社団法人全日本情報学習振興協会が主催している資格試験で、個人情報保護法や関連法規、リスク管理やセキュリティ対策の知識を問うものです。

問題はマークシート方式で全100問。うち40問が個人情報保護の総論、残り60問が個人情報保護の対策という内容になっています。

試験開始前。

一体どんな人が受けに来るんだろうと思っていましたが、年齢層は案外高めで、30代から40代、50代が中心というところ。
しかも、開始前開始後、教室内で親しげに話している人もちらほらおり、会社や所属団体の団体申込みで受けに来た感じの方も少なくありませんでした。

試験管理は案外厳しくて、机の上には、筆記具と受験票、時計しか置けない。
途中退出は不可(トイレに行きたい人は手を挙げて、も言わなかったので、基本行けないんでしょう。お腹に病的異変が起こったら、どうすればいいんでしょうか)。

この「途中退出不可」を告げられた時は、ビビりました。
今日日、たいていの資格試験は、開始30分後から終了10分前まで退出可能です。
ある程度勉強していれば、終了10分前には解き終わります。

場所は青山。
早めに出て、買物して帰る気満々でした。
途中退出不可って、どういうことだよ、と若干ピキッときました。

が。
途中退出不可で、全然かまいませんでした。
時間、結構ギリギリでした。
私の前の席の人は、私よりたぶん10分くらい前に終わっていましたけど、おそらく、両隣さんも、結構ギリギリまで解いていました。

特に前半の40問、とにかく1つ1つの選択肢が長い。
そして、私の場合ユーキャンの一問一答を一度通し読みしただけなので、問題文を読むのに時間がかかる。
前半だけで55分くらいかかっていましたから。一瞬、解き終わらないんじゃないかと焦るくらいでした。

合格点は前半後半それぞれ80点以上ですが、2ちゃんねるの解答速報によれば(たぶんあてにして大丈夫)、85点くらいとれているようなので、まあユーキャンだけで臨んだ割には検討したんじゃないかと思います。

受けてみて、良い試験だな、と思いました。

何がいいって、素直に「勉強したら、した分だけ」きっちり報われる試験だということです。

確かに肢の切らせ方に若干の工夫というかいやらしさはありますが、基本的に客観的な資料に基づく「知識」「理解」を問う問題ばかり。
この試験で8割取れれば、個人情報保護の勉強しましたと言っていいレベルの内容が、しっかり盛り込まれているなあという印象を受けました。

だからこそ、個人情報保護取扱事業者さんの社員さんが受けさせられているんだろう、団体申込みで!!という気がします。

そして、我々法曹としても、この資格を取ることによって、企業の方とお話しする際に「個人情報保護の基礎知識を持っている」という1つの強み、みたいなものにはなるのかな、と思いました。

ただ、個人的に注文を付けるとすると、2つの点を言いたいな、と思います。

ちょっと合格基準点が高すぎなんじゃないかなと思います。

それなりにステータスの高い試験にしたいという思惑が主催者にあるのはわかるのですが、これ、法律の素養とか、PC、ネット系にあまり強くない人が会社から受けさせられると、勉強にかなりな時間を割かれることとなり、その負担から、結局受け控え→ひいてはこの資格の衰退につながりかねない気がします。

今日のレベルなら7割からせめて7割5分くらいまで落としていいんじゃないのかなと思っています。

そして、後半60問が、実は、PCやネットを日常レベルで使用している人間にとっては、「単なる国語の問題」になってしまうということも問題です。
後半は、前半とは全く異なり、文章の中に専門用語などを当てはめていくケースのものが多かったのですが、読めば何が入るのか、用語の意味を厳密に知らなくても、ポンポン入れられちゃいます。
実際、私、分かって入れたところ、たぶんほとんどありません。

ただ、この2つを差し置いても、生涯学習的意味においても、仕事で必要な知識の習得という意味でも、非常にバランスが取れたいい試験であることは間違いありません。

今後、もう少し受験者が増えれば、メジャー資格として定着する、そんな予感がしました。

さて、私の方は1週間ほど、普通に文庫本など読んで息抜きしたら、今度は不動産鑑定士試験を目指すための3級FPの受験勉強です!!

先月の不動産鑑定士試験で、予定通りとはいえ大惨敗したので、一矢報いることができて、すっきりしました。

ちなみに試験の後は、青学の向かいにある国連大学敷地内で開催されていた「ファーマーズマーケット」でお野菜を見繕っていたのでした…




2014年6月8日日曜日

ちょっと気張るときのための、ジャマン・ピュエッシュ。

指原が負けた!!
つまら~ん・・・
これでまたAKBは、ただの美しいアイドルグループに戻ってしまいました・・・

昨年のAKB総選挙は、確か選抜メンバーの発表開始あたりからテレビで見ていましたが、今日は訳あって、とある会合に出ていたため帰宅が遅くなり、6位の山本彩ちゃんが悔しそうに話しているところからの視聴となりました。

その会合とは、都内や関東近郊の女性法律家が集うという、何とも緊張を強いられる、おっそろしい感じの会合でした。

「女が!!」「女性の権利が!!」とマナジリつり上げて連呼するおっかないベテラン先生ばかりが来るんじゃないかとびくびくしていたのですが、実際には、非常に温厚で芯のある尊敬すべき人たちの巣であるということがわかり、ほっと一安心。
思わず懇親会でワインを飲み過ぎてしまいました・・・

女性のみなさんならおわかりでしょうが、女性だらけの会合に出る、あるいは女子会なんかの「女の目に女がさらされる」というとき、ある意味男性とデートするよりも、着る物や持つ物に気を遣います。

本日、私はまさにその状態でした。
着る物は何とかなりました。雨でしたから、しわになりにくく、それでいて、きちんとして見えるギャルソンのワンピにセオリーのジャケット。
足元は濡れても対応できるようにエナメルの靴にしました。

一瞬「こういうときにいいのあったっけ」と考え込んだのが、バッグでした。
結婚式ほどフォーマルでなく、でも、おしゃれで多少小振りなバッグ・・・そんなもんあったっけ、自分、とうろたえました。

少し考えて、ジャマン・ピュエッシュ(JAMIN PUECH)のバッグを1つ持っているのを思い出して、一件落着。
たぶん持ち歩くのは1年ぶりくらいじゃないでしょうか・・・

私が持っているジャマンのバッグは、横が30センチくらい、マチがぱっと見12、3センチくらいのものなのですが、バッグ中央のポケットがかなりでかく、私のブタ財布に小さめのポーチ、タオルハンカチが余裕で入るサイズ。
両脇にも新書サイズの本や名刺入れなどが入ります。
で、バッグ自体は「ブタ」にならない・・・

久しぶりに持って「やっぱり、ジャマンはいいなあ」と改めて惚れ惚れしました。

そして、思ったのです。

たとえ、1年に1回、数ヶ月に1回しか出番がないとはいえ、おなごたるもの「結婚式ほどじゃないけどおしゃれしなきゃいけないとき」つまり「ちょっと気張る」ときのために、自信持って持ち歩ける品物がいいバッグが必要だなと・・・

遅い!!
気づくの遅すぎるだろ!!
というご指摘は、甘んじて受けます。

仕事しているときは「荷物が入ること」「軽いこと」優先。
プライベートの服装はきわめてカジュアル。
「ちょっと気張る」会合は、今までほとんどない。

この3つの事情が、私を「ちょっと気張るときのバッグ」から遠ざけていたのだと思われます・・・

現在、結婚式用にはヒロフの小振りのバッグがあります。
そして、司法試験の合格祝いに母からもらったグッチのショルダーバッグ(なかに余り物は入らない)もある。

用途として今回のジャマンと同じ役割を果たす物は、実は他にありません。
というわけで、多少値が張るかもしれんが(そして、置き場所にも困ると思うが)、探してみようかなと思っています。

本当はねえ、財布がよれよれなので買い換えようかとも思っていたのですが、バッグの方が先、でしょうか。

今回使っているジャマンの型やデザイン大好きなので、同じ型の物が欲しいのですが、これ4年ほど前の物なので、無理でしょうね。

ま、これじゃなくてもいいんですけどね。
ジャマンのバッグって、「荷物多めだけどスマートに見せてくれる」というまるでドラえもんの4次元ポケットみたいな感じの物が多いですから。

他のブランドの候補としては、クリスチャン・ポーがありますが、デザインがラフな物も多いので、ジャマンと同じ役割のものまで果たして見つかるかどうか、疑問。

というわけで、これから根気よく(決して焦らず)、2個目の「ちょっと気張るときのバッグ」を探したいと思います。

明日はちょうど表参道に出る用事があるので、まずは帰りに、ジャマンに寄りましょう。

2014年6月2日月曜日

ハヤシと台所の素敵な関係。

土日は最低一日でも、家にいる時間が欲しいハヤシです。

土日は、ふだんできない家事をやる、貴重な貴重な2日間なのです(そして、本名の本業から林ティアラにならねばならん貴重な時間でもあります、念のため)・・・。

掃除。
洗濯(注:洗濯は結局毎日やった方が圧倒的に楽なので土日に限らず毎日やっているのですが、大物を洗うのは土日です。ちなみに今日も冬のセーターを5枚アクロンしました)。
1週間のおかず&お弁当用のおにぎり作り。
台所の掃除。
ゴミ捨て。

本気になれば半日で出来るだろ、とつっこまれそうですが、たまの休みなんだから、ゆっくりやらせてくれ、と思うわけで。
しかも、林ティアラである以上、土日のどちらかは、お出かけ&お買い物をしたいわけでもありますし。

それはさておき、ハヤシ、家事はそんなに嫌いではありません。

あえて言えば、掃除があまり得意ではないのですが、この2月に通販生活でマキタのコードレス掃除機を購入してからは、狭い部屋にぶつけまくりながら掃除機をかけるという苦行から解放され、今は比較的楽な気持ちでやっています。

一番好きなのは、台所に立つことです。
料理をするのが好きなのです。

ちょっと断っておきますが、ハヤシが作るのは、ごくごく単純なものばかりです。

人参のきんぴらとかサツマイモやカボチャの煮付け、切り干し大根の炒め煮とか、大根と手羽中の煮物とか(おばあちゃん食だ・・・)。
しかも、特段料理がうまいわけでもありません。ここで、「嫁になれまっせ、私」とアピールしているわけではございません。

料理をしている時間は、無になれるのです。

まず、最初に切り干し大根をお湯につけて、それからトマトを洗って、芋の皮をむいて、お湯を沸かして・・・と複数の料理を作るときに、効率よくコトが進むように、手を動かしながら段取りを考えるのが好きです。

食材を切りながら、煮物の灰汁をすくったり、味付けをしたり・・・

料理をしているときは、基本的に料理のことしか考えていません。

仕事のことを料理中に考えることはほとんどないし、落ち込んでいるときでも、料理をしていると、不思議と集中してしまうのです(集中しないとけがをするという話もある)。

終わった後で本業に取りかかると、案外良いアイデアが出ることもあるし、胸につかえていた重いものが消えていることもあります。

自分をリセットするために、台所に立つ時間は、とっても大切な時間なのです。台所は、私の居場所なのです。

だから、絶対週1回(できれば2回)の休みが、私は欲しいのです(頼んだぜ、ボス!!自分で受けて処理しきれなくなった仕事を私にむやみやたらと振らないでくれ、土日に!!)。

さて、台所を居場所と公言するハヤシですが、実家に帰ると、ほとんど台所には立ちません。ちょこっと洗い物を手伝うくらい。

ハヤシの母は、料理上手。
母の前で料理するなんて、何言われるかと思うと、怖くてできません。

でも、それだけではないのです。

子供の頃から、台所は母の場所、そう思っていました。

母がそう言ったことはありません。
台所は女の居場所、というセオリーを自分が持っていたわけでもありません。

でも、なんとなく、自宅の台所には、犯してはいけない聖域のオーラみたいなものを、自分は子供の頃から感じていて、今も感じ続けています。

母ももしかしたら、父とのあれこれや、親不孝の娘二人を憂う気持ちを、台所で無になって、リセットしていたのかもしれません。