2024年4月29日月曜日

長年自営でやっている人の話を聞いて独立に躊躇してしまった自分がいた

1日遅れの更新です。

というのも、昨日の日曜日は外出しており、帰宅した後爆睡してしまったからです…


あまり詳しく書くと対象人物が特定される可能性があるのですが、昨日は大のアルフィーファン(年齢は今年49歳でアルフィーファンとしては若め)の東京の同業者の知り合いがライブのために来道していて、声をかけてもらったので、一緒にランチしてきたのです。

札幌市民なら知っている人も結構いると思いますが、カフェの森彦がやっているフレンチレストランのDAFNEでランチコースとスパークリングワインをいただいてきました。

実はこの方、会うのは初めてだったのですが、Xで繋がっていて、まあ結構古い知り合いでした。

晴れて昨日リアルでお会いして、色々お話ししてきたわけです。


この方は、弁護士としては私の5年後輩なのですが、弁護士登録時から自営でした(このことを我々の業界では「即独」と言います)。

それにはいろいろ事情があり…というのも、このころは実はわが業界は就職氷河期だったのですが、これに加えて、当時30代後半の女子かつ膠原病等の病気持ちだったため、採用してくれるところがなかったそうなのです。

そこで、この方の所属弁護士会がやっていた「即独支援」のシステムを利用して、いきなり自営で始めた…ということのようでした。

事務員なしのワンオペで10年以上事務所をまわし、しかもその事務所は神保町というなかなか良い場所にありつつ、病院通いに推し活に勤しむ、私にとってはとっても甲斐性ある女性弁護士に見えていました。

しかもこの方、数年前に、ステージ3Bの乳がんにかかり(乳がん検診で繰り返し見落とされ、判明時には7センチサイズになっていたうえ、リンパに転移しまくっていた)、術前抗がん剤治療→手術→術後抗がん剤治療→今も抗がん剤服用、さらに抗がん剤のせいで心臓に不具合が生じ、心臓の薬の副作用で喘息を併発し…と散々な状況。

そんな中も、Xでの発信を続け、仕事も知人に渡したり、共同受任にしたりしながら乗り切り、今も満身創痍の中、仕事と推し活に励んでいるのです。


病院代もばかにならないし、アルフィーって、春と秋に全国ツアーをやるらしく、抽選に応募して当選したところは基本どこでも行くようなので、チケット代に交通費とホテル代がとんでもなくかかるはず。

Xの投稿からすると(私と同じく)なかなかコスパが悪い事件ばかりやっているようですが、まあ、それなりに結構稼いでいるのだろうなと思っていました。


が、昨日お会いしてお話ししたところ、事務所をたたんでどこかに入ることも考えている…と言うのです。

えええええ!!と思いましたが、話を聞いていて、ああ、それは考えるかも…と思いました。


やはり、がんになったのがかなり大きかったようで、先ほども書いたように、入院手術が必要となったときに、固定客などを他の事務所・弁護士に渡してしまった結果、仕事がガクンと減ってしまったとのことでした。

これに加え、「弁護士会の嘱託」という定収入が入るありがたい仕事が(弁護士会にもよりますが、年間500から600万円くらいくれるところもある)任期切れでこの3月に終了してしまったとのこと。

もうひとつ定収入が入る仕事があるそうなのですが、話を聞いていると弁護士会の嘱託ほどの収入ではないと思われ、相当厳しいダブルパンチであることは明らかなのでした。


なので、どこか他の事務所に入ることも考えている…と言いつつ、やはりXで繋がっている他の女性弁護士が、自営から大事務所の勤務弁護士になり、ストレスが溜まっている様子を見て、躊躇する気持ちもあることはあるようなのでした。

ひとつ、うちに来ていいよと言ってくれている事務所があるそうなのですが、自宅から遠くなるようで、通うのが大変そうということで、決断しかねているようです。

今ご家族と住んでいるそうで(独身)、自宅から出ることはさらに「経費」がかかることになるので、考えていないようでした(まあ、あれだけ推し活してれば、そりゃそうだろうと思います)。


この話を聞いて、私は、自分が自営の事務所をたたんで前事務所に入ったときのことを思い出しました。

私は、2014年秋から水天宮で事務所をしていましたが、約1年後、メンタルを病んで心療内科医から仕事をセーブしろと言われ、セーブしたところ売り上げが落ち、事務所をたたむ決心をして、前事務所に入った経緯があったのでした。

メンタル病んだくらいでそうなったのもなかなか甲斐性がない話ですが、昨日会った先生はがん(それもステージ3B)になったのだから、そりゃそうだろうよと思ったのであります。


で、ここまで考えて思ったのですが、やはり売り上げが落ちたりしたら、変な気を起こす前に(変な気を起こした挙句客に渡す金横領したりして懲役食らう弁護士が最近多発?してます)、安定収入が得られる「勤め人」(わが業界ではイソ弁と言います)になるのが、一番まっとうな方法なんではないか…という気がするのです。


そして、体調不良がここ1年、数か月に一度程度のペースで続いている私は、この先生の話を聞いて、「うーん、やっぱり拙速な独立って禁物かも」と躊躇する気持ちが出てきたのですよね…

今の職場であれば、最悪何か病気になって長期離脱しなきゃいけないというときに、おそらく休職扱いにしてもらえて一定程度給料がもらえ、回復すれば復職することも可能だと思うので…

頭が若干悪い代表にチッとなったり、法的な話が忌憚なくできる同僚がいなかったり、変に「お偉いさん扱い」されるのが気持ち悪かったり、色々不満な点はあるけれど、外での「個人の活動」は認められているので、そちらの本数をできるだけ増やして、あまり事務所にいないようにしたり、時折体調が悪いことにして休んだりして、バランスとって何とかやっていくのも、ひとつの方法としてありなのかもしれないなと改めて思ったのであります(よし、独立してもいけるぞーと確信持てたらいっちゃうと思いますけど)。


独りよがりで色々決めるのは良くないなと改めて考えた次第です。

いや、独立するのって本当に勢いだけじゃできないわ。

そんなことを思い知らされた同業独女同士のランチ会だったのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿