2015年10月17日土曜日

羽生ちゃんの陰陽師に大コケの予感

さて、早いもので、もう来週末はフィギュアスケートのグランプリシリーズが開幕します。
その前哨戦のB級の大会が、各地で開かれておりますが、羽生ちゃん、練習先のカナダで行われた「オータムクラシック」というまさにB級の大会にこの度出場しました。

この試合、当然日本では放映されませんでしたが、テレ朝がフリーの羽生ちゃんの分だけ録画したものを、午前のワイドショーで見せてくれました。

さて、今シーズンの羽生ちゃんのプログラムですが、ショートは昨年と同じショパンのピアノ曲。
そして、フリーは、あの野村萬斎主演の映画「陰陽師」のサントラから「清明」とかいう曲。

夏ごろから「羽生ちゃんが和の曲に挑戦する」とかいうことで、さてどんな感じになるのかと、注目されていました。
個人的には、やったらゴテゴテした衣装が好きな羽生ちゃん、どんな衣装を身に着けるやらと楽しみにしていました、ある意味。
で、ついにアキバあたりの和テイストの萌えキャラに本気でなるつもりなのかと思っていました。

ふたを開けてみたところ、その期待は見事に裏切られました。

「和」とか「日本」を意識し対象にすると、どうしても、衣装がダサくなりがちなのですが、はっきりいって、今までの羽生ちゃんの衣装の中で1,2位を争う出来の良さ(個人的には、昨季からのショートの衣装が羽生ちゃん史上ナンバー1でした)。

まあ、ウエストのブラウジングの感じとか袖のふわっとした感じとか、正絹の着物を意識した光沢感とか、どことなく和を意識したつくりにはなっているのですが、去年の「オペラ座」みたいに、ヒラヒラビロビロデレデレしていない。お上品です。
良い意味で陰陽師の神秘的な感じを衣装で再現していると思います。

が、プログラム的にははっきり言って、あんまり点が伸びないんじゃないの…と思っています。

和の楽曲ってのは、リズムの刻み方が西洋の楽曲とは全く違っているし、はっきり言ってわかりやすい山場ってものがない。
まあ、のんべんだらりと抑揚のない局長が4分半続く中で滑らなくちゃならないわけです。
「清明」もまさにそういう曲でした(それなりにスピードアップしたところはありましたけど)。

でね、こういう曲って、音やリズムを表現できる「踊れる」スケーターじゃないと、4分半しっかり見せられないわけですよ。
例えば、高橋大輔とか。例えば、マッチーとか。ふたりとも、和テイストの曲は選びそうになかったですが。

思い出してもらいたいのは、世界選手権で銀メダルを取ったときの大輔のフリーは、ブルースで、実は最初から最後まで、くらーいイーブンペースの曲調の曲を使っていたのです。
それを大輔は、ステップワークや振り付けでスピード感のあるプログラムに仕立て上げ、観客からは、まるでフィギュアスケートの大会とは思えないような、HEY!!とか掛け声が上げられ、ヒューヒューという歓声が上がったのであります。
これ、ほかの選手にはできない芸当でした。

つまり、抑揚のない曲や、万人にわかりやすいリズムを刻まない曲は、「だら~」「びよ~」というのを、中間の踊り、振り付けでカバーしなければならないわけです。

で、羽生ちゃんは、4回転ジャンプとか、男子選手とは思えない見事なエビ反りのイナバウアーとか、最近あまりやらなくなったけどビールマンスピンとか技を見せる選手であって、決して踊れる選手ではないのです。

個人的には、特にフリーの後半になると、振り付けされた腕の位置や流し方、背中のラインがめちゃくちゃ汚くて、本当に技をこなすことに精いっぱいになっているのが、すごくすごく気になるのです(大輔やマッチーは、どんなによれよれになっても、最後まできちんと踊れてはいた)。

特に、今年、羽生ちゃんは技術的に非常に難しいことに挑戦しています。
ショートでは、昨年まで最初に飛んでいた4回転ジャンプを配転が高くなる後半に持ってくることにしました。
フリーでは、3回の4回転ジャンプに挑戦するとか。

ただでさえ体力がない羽生ちゃんがこんだけ大変なことをするのに、こう盛り上がんねえ曲じゃあ、リズムに乗り切れないんじゃないんですかねえ…

おそらく、ショートの曲を変更しなかったのは、そういう難しいことにチャレンジするための負担を減らす(振付を覚える手間を減らす)ところにあったとは思うのですが、ここまでのことさせるんであれば、フリーの曲は、もちっと豪快にもりもり盛り上げてくれるきょくがよかったんじゃないですかねえ。

個人的にオーサーというコーチは、「審判受け」「観客受け」の狙い方があざとくでいまいち好きになれません。
バンクーバーの時の金妍児のボンドガールだって、わかりやすいお色気路線を狙ったものだし、羽生ちゃんのパリの散歩道もアイドル路線のウケを狙ったもので、個人的には「はいはいはいはい」な感じでしたから。
(思いつくところがすごいよなとは思うけど)

今回もまた「羽生君が陰陽師」という話題性をねらったものだったんだろうと思うのです。
がしかし…話題だけでどうにかなるほど、フィギュア界での羽生ちゃんの地位は盤石なんでしょうかねえ…

というわけで、ハヤシノ予想。
今年は、主要大会でのタイトル獲りにはにゅうちゃんはものすごく苦労すると思う。
世界チャンピオンにはなれないと断言しときましょう。

外れた時には…謝ります。

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