2022年2月5日土曜日

自分、アセクアロマかもしれない?

 北京オリンピックが始まりました。

個人的に夏のオリンピックより冬のオリンピックの方が好きで、フィギュアスケートやら、カーリングやら、仕事さえなければかぶりつきたいこの時季…

まあ、そうもいかないので、NHKプラスのライブや見逃し配信を活用したり、中継録画を見たりすることになりそうです。


さて本題。

最近、転職問題の話が多かったのですが、今日はちょっと違う話をしたいと思います。


今、NHKで(たぶんオリンピックで中断するでしょうが)「恋せぬふたり」というドラマをやっています。


最初はあまり真剣に見ていなかったのですが、流しているうちに少しずつハマっていきました。


ハマっていった理由は、ドラマで描かれている「アセクアロマ」という人の嗜好というか傾向が、とても共感できると感じたことでした。


このドラマの主人公の咲子と高橋は、ともに恋愛感情や性交渉というものがよくわからない、したくないという考えの持ち主。

その2人が恋愛抜きで、自分たちにとって居心地の良い同居生活を送ろうとする様子が描かれています。


率直に言って、「自分これかも」と思ったし、私の周りにいる(少ない)何人かはたぶんこれだな、と思ったりしました。


最近よく見る言葉なので、知っている人もいるかもしれませんが、「アセクアロマ」の「アセク」はアセクシャルの略で、他者に性的欲求を抱かない人、という意味。

一方「アロマ」はアロマンティックの略で、他者に恋愛感情を抱かない人の意味。


この2つはイコールではなくアセクの中にはアロマンティックではない人もいるし、アセクアロマでも、親愛の情からパートナーを欲して結婚願望を持つ人もいるとのことです。


そして、アセクアロマは先天的なものとは限らず、後天的にそうなるケースもままあると言われているようです。


私の場合、大学に入った18歳の頃から、弁護士になって1年間くらいの38歳までは、正直彼氏が切れたことはなく、いわゆる恋愛を普通に楽しむ生活を送ってきました(男の趣味がよくなかったことはおいておきます)。


その後、恋愛というものにとんと縁のない生活を5年くらい送ってきて、2回ほど、それっぽいことになりそうなことはあったものの、2014年か2015年以降は、一切男っ気なし。

そして、私自身にも恋愛をする気持ちや、そういうの目的で男性を家に入れようという気持ち、床を一緒にしたいという気持ちが一切なくなり、今に至っています。


私の場合、結婚願望も今のところありません。


自分でも、若い頃から20年間は、恋愛で右往左往する時間を送ってきていて、それが当たり前のように感じていたので、よく180度違うこんな生活を送っているな、と感心することもあります。

ですが、本当に恋愛、どうでもいいんですよね。

恋愛ドラマも全然興味ないし(まあ、一応今見ているNHKの「しもべえ」は恋愛要素があるドラマではあるが)。


年齢的に女性ホルモンが減ると恋愛に気持ちが向かなくなるのかしらとも思ったのですが、私より年上でもちゃんと恋愛して結婚している人もいるわけで、そうとは限らない。


仕事で失敗例ばかり見ているから気持ちが怖気付いているのかと言われると、そういう感じでもない。


出会いがないとも言えそうですが、周りは、既婚未婚関わらず男性はたくさんいるわけで、素敵な人がいれば素敵だなと思うことくらいはできます。片思いだって、立派な恋愛感情でしょう。しかし、「この人は素敵な人だな」以上の感情には全然ならなかったりします。


本当に自分、「恋愛どうでもいいっす」という気分なのです。


7、8年前からの私のこの心情、精神のありようは、後天的なアセクアロマ、少なくともアロマンティックと理解すると、とても座りがいいのです。


「アセクアロマ」という言葉に出会って、ちょっとほっとしたところがありました。


自分のあり方が言葉によって表現されるものであることを知って、自分のアイデンティティらしきものがちょっと保たれたとでもいいましょうか。

「そうなんだよ、そういうことってあるよね」とうなずきあえる人が、この世のどこかに存在していると知ることができて、自分、マイノリティではあるかもしれないけど、たった1人の存在ではないと確認できたというか。


幸い、うちの母親は、「老後1人きりは寂しいわよ」とはいうものの、人生結婚ばかりが能じゃないと思っている人なので、今の状況をやいのやいの言われることはありません。

また、我が業界も、高齢独身女性が結構な割合いるところなので、これまたやいのやいの言われることもない(個人の自由を重んじる業界でもありますし)。


しかし、それとは別に、「自分の今の価値観の座りどころ」が見出せなかったことは、おそらくは若干のストレスを自分に与えていたわけで、だからこそ「アセクアロマ」という言葉を教えてくれた「恋せぬふたり」には感謝しているのです。


ちなみに、私の妹もおそらくは「アセクアロマ」と思われます。

過去、遠距離恋愛していた男性が1人いましたが、自分の方から距離を置きたいと振ってしまい、以後いっさい恋愛関係なし。

彼女を見ていると、恋愛や性的なものからは距離のある雰囲気を醸し出しており、実は彼氏ができた時にむしろびっくりしたくらいなのです。

もしかすると私と違って先天的なアセクアロマだったかもしれず、世の常識に合わせようと自分なりに頑張って恋愛しちゃっただけなのかもしれません。


さらに、私の周りには、とっても可愛いのに、30近くになるにも関わらず男性と付き合ったことがないという人もいますし、かつて一緒に仕事をしたことのある同年代女性(今でも親しい)もとんと男っ気がありません。


これらまとめて「アセクアロマ」かも…だとすればしっくり来る…と何故か私、嬉しくなっています。


恋愛なんかできなくても別にいい。

恋愛以外に楽しいことなんていくらでもある。

彼氏や夫がいなくても、心の拠り所は設けられる。

恋愛と「こことが落ち着ける場所」は別なのです。

男と女だからと言って、「男女関係」が前提になるとは限らない。


心の解放ってこういうことなのかなあという気分です。


アセクアロマについては、正直情報がまだ少ないので、もう少し勉強したいとは思う。


ですが、たぶん自分はそうだと思う。

後天的なアセクアロマ。

そういうアイデンティティを持って、これから生きていきたいと思います。
























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