2013年5月26日日曜日

銀行業務検定が凄い。

という、マニアなタイトルで始まってしまいました。

こういうタイトルのときは、閲覧数が伸び悩むのですが、ま、所詮独り言だし、と開き直って投稿。

弁護士という資格を持つと、税理士業務や社労士業務、弁理士業務などなどを行うことができます。つまり、キングオブ法律系資格というわけです。
しかし、だからといって、弁護士資格を取得すると、自動的に上記の資格が取り扱う幅広い法令や、その分野の実務に明るくなるのかというと、そんなわけではありません。
私が受験していた旧司法試験では、論文試験で取り扱うのはわずか6つの法律(まあ、基本中の基本の法律です)。
税法だの、労基法だの、特許法だの、なんだのかんだのと精通しているわけではないのです(注:新司法試験は論文試験の科目数が増えて、上記士業で取り扱う法律も一部選択できるはずです)。

で、我らの業界も過当競争となり、弁護士が独自性を出すために、いわゆる「専門化」が進んできています。例えば「刑事事件が専門の事務所」、「外国人問題が専門の事務所」みたいなものとか、「弁護士+公認会計士」(法律会計事務所というのが実は意外にあります)、「弁護士+中小企業診断士」、「弁護士+弁理士」みたいにダブル資格で強い分野をアピールする弁護士がいたりとか。社会福祉士資格をとろうとしている弁護士もいます。

つまり、地方はどうなのかわかりませんが、都市部では、従来通りに高そうな鞄をぶら下げて司法試験に受かって以来、さほどの勉強もせずに、「先生」と呼ばれて弁護士が高収入を保証されるなんていう時代は、とっくに終わっているわけで、何がしか自分ができることをきちんと会得していることが必要なわけです。
実際に働いていると、ひしひしと感じます。

個人的には、この専門化というのもその場しのぎ的な感じがしてます。
そのうち、〇〇専門なんて言う弁護士が巷にあふれだして、大したアドバンテージにもならなくなるはず。そうすると、価格競争するか他の付加価値をつけていくしかない。イタチごっこになると思うのです。
実際、刑事専門事務所というのが最近かなり増えている気がします。
数年前は、珍しい存在でしたが、最近は結構な頻度でそういう広告をしているHPを目にします。
たぶん、痴漢で捕まった小金持ってそうなサラリーマンを相手にしようという目論見なのでしょうが…皆さん気を付けてくださいね~。事務所によっては、かなりお高いですから。
そして「高けりゃいい」ってもんでもないですから…

話がそれました。

前の事務所を辞めて今の事務所に移ってからしばらくの間、弁護士として、自分はどういう仕事をしたいか、どういう仕事の仕方をしたいかということを、これでも相当考えまして(注:食べ物と着る物のことだけ考えているわけでもないのです)、行き着いたのは「法律相談がうまい弁護士」でした。
法律相談って、ただ、法律の知識を披露して持ち込まれた問題に意見を言うものではなくて、どちらかというとカウンセリング的な要素が強いものです。精神的ケアの色合いがとても強い。
だから、相談を受ける弁護士としては、自信をもってテーブルにつきたい。

自信を持つためには何をすべきか?
見聞を広めるってことでしょ
ってことで、人生経験を豊かにするだけではなくて、勉強して法律や実務の世界の知識を豊かにしなければならないと思いました。

じゃ、何しよう?
資格や検定の勉強をするのが手っ取り早い。しかし、使える資格試験は、実は科目数が多くて、限られた時間の中で勉強するのは大変です。
ある日、「何かいい検定や資格はないか」と丸善@オアゾをうろうろうろうろうろうろうろしていたところ、銀行業務検定なるもののテキストや問題集がたくさん置かれているコーナーに遭遇したのです。

これ、銀行業務検定協会というところが、1年に4回、銀行業務に必要な分野について行っている検定試験で、例えば、財務、税務、信託実務などなどの項目で、それぞれ2級3級があるのです(なぜか1級がない)。目的は金融機関の社員の必要知識の習得定着のようですが、実は金融機関の社員以外の人が受けているケースも多いようです。
テキストは、大手金融機関の法務部の方が中心となって執筆しており、かなり手堅い。
問題集は過去問が4年分ほど掲載されています。
私の場合、目指すは「ゼネラリスト」のカウンセラーですから、別にダブルでたいそうな資格を取る必要もない。
そうであれば、銀行業務検定をちょいちょい受けて、テキスト読んだりしながら、知識の幅を広げていけばいいじゃんと。

で、6月初めに、信託実務3球を受けてくることにしました。
実は、あまり勉強が進んでいなくて、下手すりゃ落ちるんじゃないかという調子なのですが、諦めずに進めています。
地下鉄とか電車の中とか、外食の時にご飯が出てくるのを待つときとか。

実は、私、若干の資格マニアでして、メンタルヘルスケア検定2級なんてのも持っています。

日本は資格が乱立しすぎているという指摘はそのとおりで、「資格を取れば仕事につける」なんていううまい話も巷のご指摘通り、幻想だと思うのですが、資格や検定の勉強は、何より興味あることを学ぶために手っ取り早いものです。そこから発展して上の資格を目指す、そんなとっかかりでも構わないと思います。

私の知人で宅建とった後に、不動産に興味がわいて一念発起して不動産鑑定士の資格を取った人がいました。
この人は、銀行員を続けながら数年勉強していたはずです。

今回信託実務を受けた後は、10月に、銀行業務検定の双子資格と言われている金融コンプライアンス検定の3級を受けようと思っています。
これを勉強すると、非常に幅広い法律のさわり程度のモノが習得できるようです。

司法試験に受かったときは、まさか自分がその後も試験を受けるなんて、思ってもみなかったんですけどねえ。



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