2017年11月11日土曜日

おっさんたちの仁義なき闘い:NHK杯男子シングル

あらびっくりのルマンド負傷につき直前欠場。しかも、カナダのチャンも欠場。氷上のマエケンこと村上大介も欠場。

目玉らしい目玉がジェイコしかおらず、あとは、ソコソコの実力者とまだ実績のない若者という、さて、どういうことになるんだと思ってました。
始まるまでは。

終わってみたら、無茶苦茶面白い大会でした。ここ数年でNo.1ではないかと。

その理由は、下らないレベルに達しつつある『4回転何種類飛ぶか』戦争がなかったからに他なりません。

複数種類の4回転ジャンパーの中で、ジャンプに複数回失敗してもプログラムを破綻させずに滑り切れるのは、今季、はっきり言って宇野くんとギリギリ、ネイサンくらい。
残念ながら、羽生くんはショート世界新からフリーで大崩れした試合や、GP1戦目を見ても、そうは評価できない。

4回転何種類戦争のために、男子フィギュアは、プログラムを楽しめる演技に出逢えることが、非常に少なくなっていたわけです。

が、今回のメンツ。
上記戦争に足引っ掛けてるのはカナダのナムくんとロシアのアリエフくらい。
他は飛べて一種類、せいぜい二種類。ジャンプ以外の部分で加点を狙い、演技構成で見せようというタイプのスケーターばかりになったわけです。

で、結果、どうなったかというと、ショート終わった段階で、1位は30歳のボロノフという、一種類の4回転を2回飛ぶだけのおっさんスケーター、2位は29歳のやはり4回転は1回か2回しか飛ばないビシェンコ、3位は4回転が飛べるとは言えないジェイコになったのであります。

ついでに言うと、4位につけてたリッポンもショートは4回転なし。して、28歳。

上位4位の得点は、5点差くらいしかなく、ハヤシは、ジェイコの初優勝もありうる!と興奮したのです。

いやでもね、フリーの上位の4名の演技はすごかったっすよ。
みんなが、
オレ、優勝できるかも
と思ってるから、10年以上前のテレビ画面からでも、絶対滑り切ってやると言う、まるでオリンピックみたいな気迫が伝わってくる。

そんな中、まずショート4位のリッポンがほぼノーミス。首位に立ちます。
ショート1位のボロノフは、終わった後暫く立ち上がれないくらい全力を出しきり、やはりノーミス。リッポンを逆転。
2位だったビシェンコは、後半スピードが落ち、5コンポーネンツがやや伸びず、リッポンに抜かれ、3位に。
そして、この雰囲気に呑まれた最終滑走のジェイコは、優しい性格が災いしたのか、せっかく4回転回避したのに、トリプルアクセル2回転倒をやらかし、4位に脱落…

結果、優勝30歳、2位は28歳、3位が29歳と言う、マジかよというラストになったわけです。

そう言えば、ランビエールが教えてるラトビアのデニスくんは、昨日の8位から6位まで、順位を上げました。
滑りやスピンのポジションの面白さ、トリプルアクセルが苦手なところが師匠そっくりとか揶揄されてるみたいで、あっしもそう思うのですが、そりゃ似るよなあと思ったのは、アナウンサーが伝えた情報。

ランビエールは、滑る時に何を伝えたいか考えるように、と指導してるそうで。デニスくんは、たぶんそれをとても大切にしていると思うのです。

そうなんだよ。
4回転何種類飛べるかじゃあねーんだよ。
楽しみにしてるのは、プログラムなんだよ。

大輔のバンクーバーの道も、ソチのビートルズも4回転飛べても飛べなくても人を感動させたのは、大輔が伝えたかったことがプログラムを通じて伝わったからなんだよ。

そりゃね、スポーツですから、高い技も見たい。
しかし、ISUの皆さんには、1つ腰を据えて、フィギュアとはなんぞやを考えて、4回転問題を真剣に議論して欲しいす。

ハヤシとしては、来シーズンからの配点下げではなく、例えばショートでは1回だけ、フリーでは3回までとか、回数制限した方が効果的なんじゃないかと思いますがね。

さて、最後に女子について少し。
宮原さんが、ジャンプ練習再開したのが1ヶ月前と聞いてビビりました。
それであそこまで飛べたんなら120点でしょう。表現力は、休養前の倍も3倍も大きくなっていて、後は実戦にどれだけ慣れるかだな、と思いました。
GPファイナルは望めないと思いますが、本人そもそも頭にないと思うので、スケートアメリカの後は、じっくり全日本に向けて準備して欲しいす。

あと、前の大会でメドちゃん転んだと聞いてたんですが→見てない、今日冒頭で豪快にこけた上、2つ目のルッツも乱れて、びっくりしてたら、両脚テーピングしてましたね。

痛めてんのね…

何やっても同じにしか見えないので、メドちゃんのスケートはあまり好きじゃないけど、なんか、使うだけ使ってダメになったらポイ、みたいなロシアの女子フィギュア界の闇を見た気がしましたよ。
リプニツカヤも摂食障害で引退してるしね。

それだけに、レオノワは感動したなあ!まさかインド映画音楽で来るとは…

あ、そういやレオノワ28歳、コストナー30歳、おっさんだけでなくおばさんも頑張ったんだなあ。

いい大会でした。NHK杯!

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