2014年5月4日日曜日

ワタシのソウルフード。

どうも。
札幌に帰省しているハヤシです。

札幌は、例年よりも早く桜前線が到達したようで、今、ちょうど咲いているところです。
4月の下旬にトチ狂ったような気温の高い日が2日ほどあったそうなので、その影響ではないかと思われます。

ゴールデンウィーク前夜、4月25日夜のこと、同じ年頃の友人ら4人と東京のとあるバルで久しぶりに夕食会をしました。
前歯4本全部仮歯、しかもその4日前に抜歯という状況だったのに、ワインなど飲みつつ、久しぶりにほろ酔い加減で、楽しく過ごしておりました。

4人のうち、ふたりは夫婦。夫の仕事で今は東京住まいをしていますが、自宅は札幌にあります。
札幌のおいしいラーメン屋さん、東京ではどこにあるか、なんて話になりました。

札幌出身となると、「ラーメン好き」「スープカレー好き」という前提で話が始まることが少なくありません。

しかし、ハヤシの場合、給食の味噌ラーメンが不味すぎたトラウマで、今も味噌ラーメンが食べれず、辛いものが苦手なためスープカレーにもほとんど縁がありません。

そんな話をしたところ、もう一人の同席者、福岡出身の男子が、私に聞きました。
「じゃ、ソウルフードって、一体何なの?」

思わず口からついて出た私の答。
「まるちゃんの焼きそば弁当かなあ・・・」

そう。
まるちゃんの焼きそば弁当。
これは、北海道の物産店は別として、通常のルートでは道内限定でしか売られていないカップ焼きそばです。

しかも、歴史はかなり古く、私が小学生の時にはすでに存在していました。
麺の戻し湯で作る粉末スープ付き、という他のカップ焼きそばにはないオマケもあり。

どうやら、日本の他の地域では、日清の焼きそばUFOが売り上げ1位らしいですが(ホントか?)、北海道では、発売されて以来、焼きそば弁当が不動のナンバーワンなのであります。

実際、焼きそば弁当が好物なのは間違いありません。
でも、言っときながら、心の中で「ソウルフードっていうのとは、ちょっと違うなあ」なんて思っていました。

子どもの頃の食べ物の思い出にくっついてくるのは、母方の祖母です。
私が弁護士になった翌年に98歳で亡くなった祖母は、晩年は私の実家で暮らしていましたが、結構な年になるまで、浦河町という襟裳岬に近い海辺の田舎町で、祖父と一緒に暮らしておりました。

この祖母が、とても料理上手な人でした。

魚を煮つけるときに水を使わない人でした。
お酒とみりんと醤油とお砂糖、そして昆布を使いました。
そうやって煮つけてくれたキンキは、小学校低学年の私でさえ、とても味わい深く、美味しく感じました。

しその葉で作ってくれた佃煮も甘辛くて、よくご飯と一緒にかき込みました。

北海道の冬の味に「飯寿司(いずし)」という食べ物があります。
これは、鮭やハタハタなどの北海道の冬の魚を野菜と一緒に米麹を使ってつけ込む、昔からの保存食です。

祖母は、必ず鮭を使う人でした。
そして、生臭くならないようにするため、年末の厳寒期に、流水で丁寧に血抜きをして一気につけ込みました。
祖母のは、麹ではなく、炊いたご飯を使っていました。

こうやって作られた飯寿司は、酸味が強く、きりっと引き締まった味がして、売り物のどの飯寿司もかないません。

一番の思い出は、北海道の和菓子「べこ餅」です。
米粉を水で溶いて堅めのペースト状にして(もちろん甘味もつけて)、木の葉のような形にする、やはり保存型のお菓子です。
たくさん作って、食べるときにはあぶったりします。

確か、小学校の4年生くらいの春休みのことでした。
遊びに行った私の目の前で、祖母が作ってくれたことがありました。
「何を作ってるの?」という私の質問には答えず、いたずらっぽく笑いながら、米粉を練っていきます。

どんどんできあがっていくのを見て、私が「べこ餅だ!!」と気づいたときの祖母の楽しそうな顔が、今でも帰省して、べこ餅を食べる度にくっついてきます。

このべこ餅、黒糖が混ぜられた黒い部分と白い部分のコンビで作られるのが普通なのですが、このときに祖母が作ってくれたのは、食紅を使った紅白のものでした。どうして紅白になったのか、理由はわかりませんが。

思い出の食べ物とソウルフードというのは、おそらく違うものなのでしょうが、私の場合、思い出を抜きにして、心に刻む食べ物というのは存在しないような気がしてなりません。

ひどく食いしん坊な私ですが、おそらく自分は食べることに対して「楽しさ」を求めているのでしょう。だから、何を食べたかということより、食を挟んで誰とどんな時間を過ごしたかということの方が、ずっと頭に残っているように思います。

さて、「まるちゃん焼きそば弁当」の話を、昨日前の職場で一緒だった現銀行員の50代男性に会った際に話したところ、「同じ年頃の独身男性がいるところで、ソウルフードに焼きそば弁当をあげることから考えて、まあ、当分彼氏はできないだろう」と言われてしまいました。

ま、そもそも真剣に彼氏が欲しいなら、せっかくの休日に、50代の既婚のおじさまと、コーヒー飲みながら、2時間も金融や不動産担保の話なんかしてませんけどねっ。

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