2014年5月26日月曜日

贈り物って、難しい。

10日ほど前、私のもとに、感慨深いニュースが届きました。

名古屋時代に私の下で事務局を務めてくれたAさんが、転勤することになったのです。

私が以前いたのは、独立行政法人がやっている特殊な法律事務所。
弁護士はもとより、事務局にも転勤があります。全国転勤になることもあります。
彼女は、名古屋から岡崎の事務所に、6月から転勤することになったのです。

私が名古屋で働き始めたのは、2008年の9月のことでした。
その前の1年間、派遣のための養成を東京で受けて、それからの赴任でした。

名古屋には、地縁血縁は一切ありませんでした。
愛知県弁護士会は、この独立行政法人に対する反対派の勢力が多い、と言われていました。
正直、ものすごく心細い気持ちで、名古屋の地を踏みました。

そんななか、勤務初日に「初めまして」とあいさつを交わして、Aさんとふたりで、事務所を切り盛りする日々が始まりました。

Aさんは、最初は非常勤職員でした。残業代がつくのは30分まで(つまり、本当はそれ以上残業してはいけない)。
なのに、必要な残業は、いとわずやってくれました(本当はまずいのです・・・)。

年のころは私と同じくらいで、税理士事務所勤務や証券会社での秘書の経験がある人でした。
帳簿の管理や電話応対、依頼者対応、何も教えることがありませんでした。

自己破産が苦手だった私がろくすっぽ教えられなかったのに、面倒くさい名古屋の破産手続の詳細を、いつの間にか身につけてくれました。

事件のことで私がへこんでいるとき、いつでも明るく笑いかけてくれました。

彼女がいなければ、私は名古屋での勤務を、任期終了まで勤め上げることは、到底できませんでした。

私が名古屋を去った後も、彼女は、最古参の事務局として、後輩の弁護士とともに、名古屋の事務所を守っていました(私が去った後、事務所は、かなり大変な状態になった時期があったと聞いています)。

その彼女が、ついに転勤になりました。

「お疲れ様」でもないけれど、何か贈りたい、そう思いました。
でも、いざ、何を贈ろうか考えると、いいものが思い浮かんでこないのです。

人に何かあげるのは、結構、好きだったりします。

プレゼントというほど大げさなものではなくて、ほんのちょっとしたものでも、「はい、これ」と渡したりすると、たまにすごく喜んでもらえたりします。
喜んでもらえるのが好きなのです。
特に自分がおいしいと思うものを(チョコレートなんかのお菓子だったりしますが)渡して、「おいしかった!!」と言ってもらえるのが、たまらなくうれしい。

でも、今回は、そういうあまりにも「ちょっとしたもの」ではダメなわけで、かといって、「転勤祝」なんて熨斗を貼っちゃう感じも、私らしくない。

私らしくて、軽々しくなくて、で、恐縮しすぎずに喜んでもらえるものは何か、と考えると、本当に何が良いか、わからなくなってしまいました。

最初、女性らしいファッションの彼女に、きれいなスカーフやストールでも贈ろうか、と考えました。
しかし、身につけるものは趣味が合わないと、もらったほうは複雑な気持ちになるものです。

小物や雑貨も考えたけれど、彼女の部屋のテイストがわからないので、やめました。

結局、消え物がいいかなという結論になりました。

大食いではないけれど、Aさんも、かなりな食いしん坊です。

よく、あそこの店のあれがおいしかったとか、どこそこのケーキがおいしいとか、話していました。
外出先から戻るときにケーキやシュークリームを買っていったら、いつも、おいしそうにパクパク食べていました。

そんな彼女のために、結局、私は、DEMELのクッキーのセットを贈ることにしました。
食いしん坊の彼女にぴったり。
軽々しくなくて、でも、値段も張りすぎず、見た目もきれい。
きっと、喜んでくれるに・・・違いない。

ということで、先週の火曜日、仕事帰りに閉店間際の松屋銀座に飛び込んで、発送をお願いしたところです。
到着日は、5月31日に指定しました。簡単なメッセージカードも添えてもらいました。

実は、Aさんは、ロイズの「チョコかりんとう」が大好きで、帰省した時には、たまにロイズから送ることがあります。
Aさんは、「チョコかりんとう」が到着すると、いつも絵文字満載のメールを返してくれます。

今回、彼女は、どんな反応をしてくれるんだろう。楽しみなような、ちょっとだけ不安なような、不思議な気持ちです。

肝心かなめな時の贈り物選びは、本当に難しい。
でも、「何をあげよう」と迷うことはまた、思い出をさかのぼることでもあり、やっぱり楽しくもあるのでした。

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